幼児教育

泣くしかできない赤ちゃんが学んでいる2つのことPart.1【子育て科学】

2016/07/27

乳幼児期の赤ちゃんは食べるか寝るしかできません。

しかし赤ちゃんに限らず全ての人間には自己学習能力があるため何らかの経験と学習を積み重ねているのは確かです。

今回はこの自己学習について、今回は乳幼児期における特徴や洞察すべき点などにフォーカスして考えてみたいと思います。




■なぜ泣くのか?

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まず当たり前のことから整理してみます。
ヒトが泣くとき、それは感情の現れで、嬉しい・悲しい・ツラいなどの感情が一定量の制御できない状態になると泣く行為につながります。

また痛いときや苦しい時なんかも泣きますね。

これは苦痛に耐えられない状態ですが、頑張って耐えたとしても涙が出てくるケースがあり、痛みに耐える=感情を制御していることの現れだとも考えられます。

そのため、泣くことは自分の状態を他者に伝える本能に紐付く生理反応的なメッセージの発信だと考えられます。

泣いている人は何らかの理由で弱っている状態、弱っている原因である苦痛や欠乏の除去の訴え、つまり助けを求めているというわけです。

また感動して泣いてるときはちょっと違い、共感による苦痛の疑似体験だと考えると色々理論がつながります。

例えば感動しそうな情報に直面した際、得た情報の結果だけでなく前後の出来事を加味したり、その時の感情を洞察することで情報の質と価値が高まるにつれ感情も高まるというもの。

また映画などを見て泣くことでストレスを解消するという話は、疑似体験と代替体験の重なりだとも考えられ、普段の生活で泣けない人(苦痛に耐えている人)が自己の泣きたい感情と照らし合わせたり代替えをする事で自己の苦痛を和らげているとも考えられるでしょう。




■赤ちゃんの泣くを考察

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ここまでにお伝えした情報を整理すると赤ちゃんが泣く理由は以下3つが有力と考えられます。

① 何らかの理由により苦痛を抱えている。
② ①を取り除きたいと訴えている。

③ ①を取り除いたとしても〝感情の残存的効果〟が原因で泣き止まない。

③は以前「赤ちゃんと会話したり、泣きやましたり、寝かしつける科学的手法」という記事でお伝えした内容を加味したもの。

このように整理したところでまぁ当たり前の内容になってしまいましたが、ここからが本題です。

タイトルにもあった「なぜ泣くの?」はここまでの話で、ここからは「泣くしかできない乳幼児が何を学んでいるのか?」について具体的にお伝えします。




■赤ちゃんが学んでいる2つのこと

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では、泣くことがメッセージの発信ということを頭の隅に起きつつ、認知心理学が教育心理学で言われている2つの事実をお伝えします。

【1】 コミュニケーション相手の感情と表情から、その人の品質を学んでいる。

【2】 自分のチカラの影響力と自己効力感を学んでいる。

では、詳細を見ていきましょう。

【1】 コミュニケーション相手の感情と表情から、その人の品質を学んでいる。

泣くに限らず、笑ったり怒ったりする感情表現は大人でもコドモでも、また動物や昆虫でも、万国共通の非言語として読み取り取ることが可能だと考えられてます。

これは以前、コミュニケーションの基礎でもお伝えしたとおり赤ちゃんは感情で会話しているので感情の読み取り能力も高いです。

またカリフォルニア大学サンフランシスコ校のポール・エクマン教授によると、人の感情は大きく7種類あって、大概の人は自然と相手の表情から感情を読み取っているそうです。
またエクマン教授の研究結果によると、人が心の中の感情とは相反する言動を行う(ウソをつく)際でも、隠し切れない感情表現が0.25~4秒以下で表情に発生するらしく、勘の良い人はこの時の感情を読み取れるそうです。

以下の写真はアメリカの人気TVドラマ「Lie to me」という中でも紹介されているもの。
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引用元:http://s.ameblo.jp/the-response/entry-10660674533.html

このドラマの主人公カル・ライトマン博士はポールエクマン教授をモデルとしているらしく、またエクマン教授の著者「顔は口ほどに嘘をつく」の中では、この〝表情と感情〟についてとても詳しく書かれてます。


エクマン教授は「世紀の傑出した心理学者100人」に選ばれた人。
この理論はなかり信用できますね。

このような研究結果から、赤ちゃんも人の表現や声のトーンから本能を使って大人よりも敏感に感情を読みとっていると推測できます。

また毎日のように接している親の感情変化には特に敏感です。

そしてこのようなことを繰り返すことにより「この人は○○だから好き」とか、「このはヘタクソだから嫌い」というような評価をして経験値を増やしていると考えられます。
【2】 自分のチカラの影響力と自己効力感を学んでいる。

【1】の説明で赤ちゃんが感情を読みとっていることがわかりました。
そして、先にお伝えした泣く理由②に沿ってお伝えすると、赤ちゃんは自分が泣くというメッセージを発信することで何らかの苦痛を取り除くよう要求してます。
この要求に親や大人が応えたことで苦痛が最終的に取り除かれて赤ちゃんからの要求が完了するわけです。

そしてこの要求に対する成果の質を感覚的に評価したり、何をすればどうなるかということも無意識に学習していると容易に考えられます。

つまり、自分の発言(メッセージ)という〝行動〟が外界へどう影響を及ぼしているかを常に学習して即実行するという成長サイクルが本能に組み込まれているということです。

このような考えはアメリカなどで実施された中長期的な臨床実験や日本でも教育心理学の分野で正論とされており、詳しく知りたい方は下記の書籍を参考にして頂きたい。

驚きの事実が満載です。




■今回のはここまで
赤ちゃんは泣くというメッセージを使っ何らかの要求を繰り返し、本能のままに親の対応や感情・態度といったコミュニケーションの品質を評価して学習してます。

また赤ちゃんは善悪や真偽の判断ができないので、全てを受け止め経験として記憶します。

そしてその記憶は身体や精神、性格や非認知能力といった幼児期に形成される脳の構造へ影響を及ぼします。

そして次回は、赤ちゃんの学習能力やコミュニケーション手法を軽視した場合、その後の成長や人生にどのような悪影響を及ぼすかについて知り得た限りの情報をお伝えします。

次はちょっと怖い話です。

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