■科学的根拠がある学習法 幼児教育

「自然に触れて学力向上」の真相

先日、非常に興味深い記事を見つけた。

タワマン上層階の子「成績は低迷」の理由。家庭教師が気づいた、住まいの弱点
https://president.jp/articles/-/26118

この記事内容を要約すると、30年以上家庭教師を続けたプロが見つけた仮説の紹介で、タワーマンションの最上階に暮らす子は、外に出ることを面倒くさがり、その結果自然から身体で学ぶ機会が減り、その影響で学力が伸びないととのこと。

確かにこの説は良く言われていることですが、親の所得と居住地に相関があること、また親の所得が高い子ほど習い事が多かったりや旅行などでの校外学習機会も多いので、まぁ親がコドモと遊んでないだけなのかと思いました。


■自然から得る学び

だがしかし、先の記事で筆者が最後に述べたメッセージ「小中学生の学びの根底は、自然と生活」、これ当たり前といえば当たり前ですが、ちょっと深く考察する価値があるのでは?と思いました。

またこの内容を踏まえ一般的な人(私の妻)に「なぜ自然に触れること、外遊びが必要か?」と聞いたら「五感を使うから」という答えが返ってきた。

確かに、屋内で遊ぶよりも屋外で遊ぶ方が五感利用率は高いし、遊びの内容と行動範囲と増えるので、脳を育てる刺激は増えるだろう。

しかし先の記事でも言っているように、人の脳の組織がほぼ形成される乳児期や幼児期(~7歳)を超えた児童期・学童期(~12歳)でも自然学習が必要である理由について、科学的根拠はあるのか?と疑問に思いちょっと頭を捻ってみました。


■答えは記憶のメカニズム!?

突然ですが、ヘンリー・グスタフ・モレゾンもしくはH.Mという人物をご存知でしょうか?

端的にいうと、長期記憶ができなくなった人(極度の健忘症)で、この特性をもとに様々な記憶に関する実験が行われ、結果として脳科学の発展に大きく貢献した人物です。

以下はWikipediaから引用です。

ヘンリー・グスタフ・モレゾン (他の表記として"H.M."、"Henry M.,"など、1926年2月26日2008年12月2日)はマンチェスター生まれの男性である。てんかんの治療のため、海馬を含む内側側頭葉を切除されたのをきっかけとして、重篤な健忘症が起こったことから、海馬機能の解明に大きな貢献をした。生前は本人のプライバシーに配慮して本名は非公開であったが、ニューヨーク・タイムズでは、本名をヘンリー・グスタフ・モレゾン(Henry Gustav Molaison)と記している[1]。脳機能と記憶についての理論の発展、脳損傷の研究で正常な心理機能の理解を目指す認知神経心理学の発展において重要な役割を果たした。

もう少し彼について詳しく知りたい方は以下のサイトがオススメです。

『ぼくは物覚えが悪い』海馬を失った男は、永遠に続く30秒を生きた
http://honz.jp/articles/-/40982

そしてなぜ急にこの話を持ち出したかというと、記憶というのは本人が意識していない(知識として記憶していない)状態であっても、カラダが覚えている(知識以外の部分を脳が覚えている)ということを、彼の実験を通じて証明されたという事実を伝えたかったからです。


■カラダが覚えている記憶

H.Mが実施した一つの実験を紹介します。

まず手元に星の絵が描かれた紙と鉛筆、そして鏡があります。

星の絵は二重線で描かれており、H.Mは星の線を自分の手元を鏡越し(反対向き)に見ながら、線と線の間はみ出さずに一周なぞるというテストを繰り返しました。

こんな星です。

このテスト、普通のヒトだったら鏡とペンの動きを覚え、数回やればうまく書けるように書けるようになりますが、H.Mさんは極度の健忘症なので毎回「これは新しいテストだね」と言って何度もトライする事となり、うまく書けません。

しかし、何度もトライしていくうちにこれは新しいテストだね」と言いながらも最終的にはうまく書けるようになったのです。


■思い出は脳とカラダ焼き付く

以前「シナプスの道」という記事で脳の特性を生かした復習方法、また「インターリーブ学習法」を伝えた記事では複数の学習をミックスすることで「各学習の良い部分が共有される」とお伝えしました。

そしてこの「各学習の良い部分が共有される」ということが自分の記憶とは全く違う無意識下の部分で共有させるとしたら、たくさんの経験を積み重ねて行くことが将来の財産となり、またアイデアの武器になるでしょう。

またこれ、私たちがよくある「初めてだけど何となくうまくできた」という現象はまさに知識を超えた学習の成果であり、学生時代に全く意味がなさそうな学習が社会で役立っているとの推測にもつながる。

だから、自然から学びを得ることの重要、また塾や学校、Googleからでは学べない重要な事があることを意識下において子育てに取り組むべきだと、先の記事から思考を発展させました。

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