コミュニケーション理論の基礎

あなたは大丈夫?〝 育児パワハラ 〟 を防ぐ4つのルール | 基礎から学ぶコミュニケーション理論 NO.3(全4回)【子育て科学】

2016/07/25

こんにちはYah-manです。
これまでのブログの中で〝コミュニケーション理論〟コミュニケーションエラー〟の原因についてひも解いてきました。そして今回は〝育児パワハラ〟という考え方についてご紹介し、その内容と定義から発生する〝原因〟や〝種類〟などについてお伝えします。

またこの内容が皆様の幼児教育や能力開発に役立つヒントとなれば幸いです。


パワハラとは?

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ご存知かと思いますが〝パワーハラスメント〟の略語で、 「職場の権力(パワー)を利用した嫌がらせ」のこと。
本来は職場など社会的な関係性の中で使われる言葉で2012年に厚生労働省によって以下6つの定義づけが行われました。

(1)身体的な攻撃(暴行・傷害)
(2)精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)
(3)人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
(4)過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)
(5)過小な要求(業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
(6)個の侵害(私的なことに過度に立ち入ること)
※ただし、これだけをパワハラだと限定しているわけではありませんのでご注意ください。

またこの〝嫌がらせ〟をやっている人に〝意識〟〝無意識〟がありますが、パワハラは受けた人がどう感じるかが重要なので、結論どちらでも行為がダメだということになります。


親子関係だと児童虐待?

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仕事場のパワハラのように育児では〝児童虐待〟という定義があります。
この児童虐待も厚生省で以下4つの定義がされてます。

1.身体的虐待

殴る、蹴る、投げ落とす、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞める、縄などにより一室に拘束するなど

2.性的虐待

子どもへの性的行為、性的行為を見せる、性器を触る又は触らせる、ポルノグラフィの被写体にするなど

3.ネグレクト

家に閉じ込める、食事を与えない、ひどく不潔にする、自動車の中に放置する、重い病気になっても病院に連れて行かないなど

4.心理的虐待

言葉による脅し、無視、きょうだい間での差別的扱い、子どもの目の前で家族に対して暴力をふるう(ドメスティック・バイオレンス:DV) など

Yah-manが伝えたいこと
育児においても職場のパワハラのように親が権威を使い、こどもが〝嫌だ〟と感じることは多々あると思います。

しかしこの行為は児童虐待までヒドいことはしていません。

そのため、今回問題として訴えたい内容を【育児パワハラ】という造語をつくり、その定義や意味に寄り添ってご紹介します。


育児パワハラとは?

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先ず、育児パワハラの該当項目を定義するため、先にお伝えした厚生省のパワハラ定義から該当項目の抽出とアレンジしてみました。

育児パワハラ(Yah-man定義)
(1)発育に影響する攻撃
・手を上げる。
・叩いたりして大きな音を出す。
・大声やトーンの高い声で起こる。
(2)人格形成に影響する攻撃
・親という立場を利用して強制させる。
・子供を人格者として扱わない。
(3)信頼関係からの突き放し
・気持ちをちゃんと子供に向けてない。
・話を流していて理解してないし聞いてない。
(4)能力を超えた要求
・子供が明らに不要や不可能なことの強制

(1)発育に影響ある攻撃
〝手を上げる〟以外に〝音〟についても育児パワハラだと私は考えています。

子供はカラダも小さいし、〝音〟から伝わる感情にも敏感です。

私の知り合いには幼児期に良く父親が怒鳴り叫んでいたことが原因で、大きな音や声に対してトラウマを持ってしまった方がいました。

(2)人格形成に影響する攻撃
〝私は親だから〟とか〝あなたは子供だから〟という前提条件を過剰に含んだもの。

子供の〝自信〟や〝やる気〟を摘み取ったり釘をさすようなもの。

子は親の鏡です。

(3)信頼関係からの突き放し
子供は真面目に対話を求めているのに対してちゃんと目を見ていないことや、別のことを考えていて上の空で心が入っていない状態。

子供はコミュニケーションを取りたいという期待に沿っておらず、次第に話を持ちかけなくなります。

(4) 能力を超えた要求
能力とは〝身体能力〟と〝精神力〟〝思考能力〟が該当し、難題を含む勉強の強制や家事の手伝いなどを過度にやらせるというもの。

またその要求を実行させるため子供に「あなたの為」とか「家族のため」といっておいては「私(親)の私欲のため」というケースが多い。

以上のような育児パワハラはモノゴトにより複雑かつ複合的に実施され、小さな子供には大きな圧力として届けられ、子供の無意識下で悪影響が進行してしまいます。


育児パワハラを与え過ぎるとどうなるのか?

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ご紹介の通り、育児パワハラは子供の発育に悪影響を及ぼします。

また育児パワハラは職場のパワハラと違い〝逃げ場〟はなく、〝ストレス解消〟や〝奴当たり〟することもできません。

なおかつ児童虐待ではないので親にも悪意がなく、外部からは悪意があるようにも見えないので、結果そのまま〝しつけ〟られるかたちが進みます。

そのため子供は精神的孤独や感情の起伏が増え、説明できない感情が心に溜まり、子供の成長と精神を壊す可能性が増えます。

こちらヒドくなると〝後天性の学習障害〟や〝いい子症候群〟という 〝自分の意見や感情を持たない性格〟になってしまいます。これは非常に怖いですよね。

はい、怖いので私はこれ以上言及しませんが、これらの多くは親が子供へ施した〝しつけ〟の結果であることだけは忘れないでいただきたい。


育児パワハラを防ぐ4つのルールとは?

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育児パワハラが親の無意識下で起きている〝しつけ〟であれば、この状況を引き起こす〝行為〟を無意識下から意識下においてコントロールできるようにする必要があります。

そしてこの〝行為〟を最低限防ぐためにまとめたのが以下4つのルールです。

1.すぐに判断を下さない
2.否定しない/話をすり替えない
3.むやみに問いたださない
4.回答に乗っからない

1.すぐに判断を下さない
相手は子供なので【情報】が不足しているかも知れませんし、〝ゴールの違い〟や〝価値観の違い〟もあると思います。

そのため、先ずは具体的に話を聞くことや〝感情に寄り添う〟ことで、子供からのコミュニケーションの本質を明確にし、その後から親としての〝道徳的判断〟を分かりやすく伝えるように心掛けると良いと思います。

※悪い例※
・直接非難:それはあなたが悪い!
子供は良いと思っていることに対してすぐ〝悪い〟と決めつけるとショックが大きい。
・間接的中傷:よーく考えて、わかるはず!
子供一人では解決できないものに対して突き放すようなアプローチ。更に自信を失う。
・客観的分析:それは○○だから××になった。
親としては合理的な意見でも子供は理解できず、また子供の立場にたってないので冷たい対応に思われてしまいます

2.否定しない/話をすり替えない
子供であれ大人であれ、行動や行為には必ず本人にとって〝肯定的な意図〟があります。

それは例え悪人にも、戦争をしている両国にも、当事者が大切にしている〝正義〟があるわけです。

そのため、親としてや道徳的判断として〝NG〟なことであっても、まずは〝肯定的な意図〟を探り、その意図に寄り添ったかたちでそのモノゴトの可否を確認してみましょう。

また〝話をすり替える〟ということも直接的な答えを出してませんので間接的に否定もしくは無視している状態です。

私はなるべく話は広げず、一つ一つ価値の確認をすることが良いと思ってます。

※悪い例※
・否定:○○はやめなさい!
本心である〝肯定的な意図〟をも否定してしまう。
・警告:○○をやると×××になるよ。
真実じゃないことを信じさせたり、子供にとっては根拠が理解できないことだと、理解できるプレッシャーや恐怖といった〝感情〟のみが強く残ってしまう可能性があります。
・常識的解釈:普通○○○でしょう!
子供は常識がわかりません。

また〝個性〟を認めず〝社会基準〟の押し付けは反感につながりやすくなります。

3.むやみに問いたださない
子供はモノゴトに対してコミュニケーションを通じて何かを理解したかったり、〝共感〟を得たいと思っているときに強く問いただすと〝何か悪いことを言った(した)〟と勘違いする可能性が高まります。

また親が急いでいるときに話しかけられて「なぜ!」と〝急いでいる感情〟が無意識に写ってしまいますよね?そうなると子供は顔色ばかり伺う人になってしまいます。

※悪い例※
・無理解の疑問:なぜ?/どうして?

本心である〝肯定的な意図〟を洞察していない。
・答えを探す疑問:それで?

本心である〝肯定的な意図〟を重視していない。

この悪い例が良く発生するときは以下のような状況です。

環境に問題〟

親が忙しいときや何かに取り組みながら対応しているとき

〝親の心情の問題〟

親が深く話を理解していないときや親が面倒だと思っているとき

4.回答に乗っからない

〝子供の努力を認めていない〟というケース。

また親としては〝優しさ〟や〝手助け〟として対応しているかも知れませんが、優しいかどうかを決めるのは子供だし、手助けしてほしいかも理解せず答えを与えることは〝親切の押し売り〟となる可能性があります。

そのため〝取り組み過程(プロセス)〟を確認し〝許可〟を貰ってから助言をするようにしましょう。

※悪い例※
わたし主義:私だったらこうするよ!

親だからできること、大人だからできることを考慮していないやり方の押しつけ。

正義の審判:もっとこうすべきた!

知識や経験があるから考えられることを〝当たり前〟のように伝える。


まとめ
今回のお話、いかがでしたか?

ちょっと怖い話もありましたが、現実を把握し意識の範囲を広げ深く洞察すれば大きな問題にはならないと思います。

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1.育児パワハラという考え方があり注意しなければならない。

 (1)発育に影響する攻撃
 (2)人格形成に影響する攻撃
 (3)信頼関係からの突き放し
 (4)能力を超えた要求

2.育児パワハラを防ぐ4つのルールを実行して最悪の事態を防ぐ。

 1.すぐに判断を下さない
 2.否定しない/話をすり替えない
 3.むやみに問いたださない
 4.回答に乗っからない

3.最悪の事態である〝後天性発達障害〟か〝いい子症候群〟は、興味あればGoogleで調べ、我が子の状態を確認する。

次回は本コンテンツシリーズの最終回。子供が強く持つ〝こだわり〟について、行動経済学的な視点で捉え、困った時の対処法を考えていこうと思ってます。

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