論理だけでは人は動かない。~説得の哲学~
コミュニケーションにおいて、時には合理的に考え、また科学的根拠に基づいて理非曲直を正そうとしても、相手がその通りに準じないことは多々あります。
まぁ当たり前です。何故ならそこに非合理的で非科学的な感情があるからです。
ただ、そのコミュニケーションに上下関係や過去の貸し借り的なモノがあるとき、もしくは「空気を読む」的な働きをするとき、その感情を心の奥底に押し込み、相手の提案(説得)を受け入れざるを得ないときは多々あります。
少々前置きが長くなりましたが、もしこのような状況においてあなたが相手を説得する立場であれば、古代ギリシャの哲学者、アリストテレスの「説得の3要素」が役に立つかもしれません。
■説得の3要素
まず、アリストテレスは言わずと知れた、最高の知性を持つ「万学の祖」と呼ばれた哲学者です。
そして、このソクラテスは人を動かす(説得する)ためには、「エトス(信頼)」「バトス(共感)」「ロゴス(論理)」の3つの要素が重要であると言ってます。
こちら有名な言葉なので私からの解説は避け、興味ある方はOK Googleに聞いていただきたいのですが、私がなぜこの言葉をお伝えしたかったかというと、この「エトス(信頼)」「バトス(共感)」「ロゴス(論理)」の順番重要だということです。
■なくなったエトスとパトス
タイトルでお伝えした「論理だけでは人は動かない。」とはエトスとパトスを飛ばしてロゴスを伝えてしまった状態。
またなぜロゴスのみで相手を説得してしまうのか?
その裏には力関係、上下関係、普段の甘え、おごり、相手を軽視してきるからかも知れません。
またこのようなロゴスのみの行為を受けた人がエトスとパトスを求めていたら、やはりコミュニケーションは成り立ちますね。
■コミュニケーションの基礎に立ち戻って考える。
以前お伝えした「基礎から学ぶコミュニケーション理論」でもご説明したとおり、コミュニケーションでキャッチボールするのは知識・感情・価値観の3つで、このボールをうまくコントロールするチカラがエトス・パトス・ロゴスではないでしょうか?
また心理学は科学的な根拠があり多くの人に当てはまる素晴らしい理論ですが、これもロゴスなのでしっかりとエトスとパトスのロゴスも学んでいこうと思います。