コミュニケーション理論の基礎

なぜケンカになるのか? | 基礎から学ぶコミュニケーション理論 NO.2(全4回)【子育て科学】

2016/07/26

以前のブログでは幼児教育と能力開発に必要なコミュニケーション理論と詳細をお伝えし、その改善方法の糸口が見えてきました。

そして今回はケンカが起こる原因である 〝コミュニケーションエラー〟について考察していき、このエラーが発生する原因について理論を元に考察を進めます。


コミュニケーションエラーとケンカの関係

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先ずコミュニケーションエラーとは、 コミュニケーション理論でいう【情報】が相手に正しく伝わっていない状態です。

そして〝ケンカ〟について、コミュニケーションエラーの観点から考えると以下のようなプロセスが起因していると考えられます。

※投げ手視線での会話
1.投げ手が【情報】を伝える。

2.受け手が【情報】を受け取り〝反応〟する。

(【情報】を受けとったサイン)

3.投げ手は受け手の〝反応〟をうけ取り、正しく伝わったか判断する。

4.投げ手は判断した結果、〝誤り〟に気づき指摘する。

5.投げ手は、先に渡した【情報】の修正もしくは不足を補うために新たな【情報】を受け手に渡す。

6.受け手は投げ手からの新たな【情報】に対して再度〝反応〟する。

7.この行為がコミュニケーションが成立するまで続くが、途中で感情的となりコミュニケーションが成立できなくなる。

・・・・なんだか難しいですよねw

このようなキャッチボールが続いている状態で、受け手からの〝反応〟に〝攻撃的〟や〝不快〟だと《思われる》態度が含まれていたとき、返事を受け取った投げ手の〝感情〟や〝価値観〟に触れ、投げ手側も攻撃的な態度へ変化した状態がケンカと呼べるでしょう。

また投げ手からの最初の【情報】に感情的な態度が含まれていたり、【情報】の《投げ方》が悪いと判断される場合もケンカにつながり、場合によってはキャッチボールすらできない状態になります。


〝相手に【情報】が正しく伝わっていない状態〟とは何なのか?

ここまでの話では、コミュニケーションエラーに関する細かい単位でその仕組みを確認しました。

そしてここからはもう少し大きな概念で考えをまとめるため、先ほどとは違う観点でまとめ直し、日常生活での出来事と照らし合わせて考察を進めます。

では先ずおさらいをします。

コミュニケーションでは【情報】である〝知識〟〝感情〟〝価値観〟をキャッチボールします。

そして子供とのやり取りであれば未成熟であるという意味で〝情報不足〟だとわかります。

しかし大人とのやりとりの場合や、子供であっても子供が知り得ている情報をもととしたコミュニケーションでは〝情報不足〟ではない状態です。

この事象について、まずは以下の例をご確ください。

■例1■ 親子の会話

ママ:「玩具を使い終わったなら片づけなさい」

子供:「はーい」

※了承した。しかし片付けない

◇数分後◇
※片づいてないし、出している玩具が増えている。

ママ「まだ片づけてないの!何で片付けずに新しい玩具を出してるの!?」

子供「片付けはもう少ししたらやるよ」

ママ「何で!?片付けながら遊ぶって約束でしょ!」

 ※ママ怒る

子供「ママ何で怒っているのよ!」

※子供も不機嫌になる。

→結果として親子ゲンカとなる。

この例の場合、ママは事前に〝 片付けながら遊ぶ約束〟をしていた(伝えていた)ので〝知識〟の不足はないと思ってます。

また、ママが最初の声掛けで子供は了承しています。

しかし、よくよく考えると子供は全部の玩具を使って遊んでいる可能性もあるのでルールを破っているとは言い切れません。

しかしママは自分の思っていたことが実現されていないので〝感情〟が抑えられなくなってしまったと考えられないでしょうか?

そしてこの場合、ママは〝片付ける〟という依頼のコミュニケーションで実現したかったものは何だったのでしょうか・・・?

この例をみると、単純な〝情報不足〟ではないケースだと解ります。

そしてこのような状況は情報の違い》が発生したといえるでしょう。

そしてその違いに気付かず話が進んでいたためコミュニケーションエラーが発生し、親子ゲンカになったと考えられます。


ケンカの手前の黄色信号!《情報の違い》が起こる3つの要因 

では次にこの《情報の違い》について考察していきます。
こちらはサブタイトルにありますように、以下の3の要因だと言われております。

1.勘違い

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これは解釈の誤り、思い込みや偏見などにより、本来とは違う【情報】を持ち合わせた状態。

早合点や〝情報の整理不足〟などにも含み、話し合いで解決しやすい違いです。

■例1■だと、ママから伝えた〝 玩具を使い終わったなら〟という条件に対して、ママが〝今〟使ってないから使い終わったと解釈したことが該当するかと考えられます。

2.ゴールの違い

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これはコミュニケーションの目的であり、〝何のため?〟という答えに違いがあるもの。

こちらは先ず夫婦での例で学んでみましょう。

■例2■ 夫婦の会話
ママが掃除中、テレビを観ているパパに片付けをお願いして、パパは承諾した。

その後ママは部屋を離れ戻ってくると片付けが終わってなかったので怒った。

ママ「何でやってないのよ!」

パパ「後でやるよ!なに怒ってんだよ!」

ママの目的→片付けを早く終わらせたかった。

一緒にテレビを見たかったかも・・・

パパの目的→次立ち上がるタイミングで片付けたかった。

※片付ければいつでも良し!

このようなケースは日常生活でよく遭遇すると思います。

子供の食事が遅いとき、ママは早く終わらせることをゴールにしてしまうときありますよね

子供は全部キレイに残さず食べることに意欲を持っていたらどうなるでしょう?

また■例1■でのママは〝ルールを守らせること〟や、〝部屋を散かしたくない〟をゴールとしていたかも知れませんね。

3.価値観の違い

これはとある価値観に対して重要度・優先度・有意性の違いで、なかなか共感し合えないもの。
おさらいになりますが、私が考えている価値観は以下10個です。

1.金銭感覚

2.対人関係(家族以外)

3.仕事のため

4.家族のため

5.自己満足のため

6.カラダ/健康のため

7.時間の使い方

8.感情の捉え方

9.環境(モノ/こと)の考えて方

10.労力の基準

そしてこの価値観の違いについて、例えばパパが仕事帰りにお酒を飲んでくるとき、ママは金銭感覚や時間の使い方、カラダ/健康のためには〝良くない〟と思うでしょう。

しかしパパはママと同じ価値観を持っていても人間関係や仕事のためというママが持っていない価値観も持っていて、この優先順位が違うので家庭をかえりみず行動をしてしまっているのです。

そのためパパが酔っ払って帰ってきたときコミュニケーションエラーが発生し、またママは何度言っても改善されないことについても怒ってしまう。

このような考え方や大切なものの違いが価値観の違いです。

また■例1■だと、子供には 時間の使い方、感情の捉え方、環境(モノ/こと)の考えて方に対する自分なりの価値観があり、ママとの違いもある。

また【情報】における〝知識〟の違いや〝知識〟の量によっても個人差があり、この個人差は生活環境や生い立ちなどでも違います。

ママは育児に対して自分の母親からアレコレ言われるのはいやですよね???


最後に配慮とお気遣いも忘れずに

ここまでコミュニケーションエラーについて〝情報不足〟と〝3つ違い〟について考えを深めてきました。

そして最後にもう1つ〝配慮とお気遣い〟もコミュニケーションエラーが起こる原因の1つです。

これは立場や年齢・性別、モノゴトの成熟度や身体能力などの〝個〟の違いへ対応と、【情報】の渡し方や態度、【情報】の渡す順序などに〝配慮と気遣い〟が必要となります。

具体的には会話とメールの違いだったり、会話中に目を見ているかどうかなど、話の内容によっては直接の距離と時間を取ってコミュニケーションをすることや、場合によっては絵や図を描いたり後から議事録を送ったりと、〝可視化〟することも必要でしょう。

また強いていえば、〝タイミング〟も重要ですよね。

この辺のお話は今後《やる気&モチベーション》というテーマのときに詳しくお話しますので、今回は〝配慮とお気遣い〟の概要のみご理解ください。


まとめ
今回の内容いかがでしたか?

なんか長過ぎですよね・・・・。

詳しく伝えると情報量が多くなりますが、そんなときはまとめを読んで全部読む価値があるから確認してください。

ではまとめます。

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1.コミュニケーションエラーの原因は以下の状態が黄色信号である。
・情報不足に陥る。
・違いが主張になる。
・配慮と気遣いが足りない。

2.違いは以下3つの要因が関係している。
・勘違い
・ゴールの違い
・価値観の違い

3.もし今後、コミュニケーションエラーやケンカになるような状態になったら、今回学んだことを思い出し〝心のブレーキ〟を踏み、〝情報修正〟をする。

コミュニケーションエラーの原因がわかれば問題解決や起動修正がやりやすくなり、コミュニケーションエラーの早期発見や予防ができるようになります。

ポイントは〝心のブレーキ〟を踏み、いったん気持ちや【情報】をホームポジションに戻して再構築することですね。

この〝心のブレーキ〟が当たり前のようにできればケンカをしない関係を維持できるはずです。

しかしこの〝心のブレーキ〟が踏めない状態で〝権威の差〟がある場合、権威が上の人が権力を振りかざして〝相手を服従〟させようとしがちてす。

このことは親と子供やパパとママ、上司と部下など、権威を有している人がコミュニケーションエラーを認めないときに発生しがちです。

次回はこの〝相手を服従〟ということをについて〝育児パワハラ〟という新しい考え方を学び、育児において自分自身が〝育児パワハラ〟に陥らないよう考察していきます。

それではまた!

-コミュニケーション理論の基礎