才能教育は「スズキメソード」のピアノレッスン【suzuki method】
2016/08/25
ピアノは幼児教育における音楽が学力や能力開発に効果があることは過去のブログでもお伝えしましたが、ピアノは〝誰〟から〝何〟を学ぶかが最も重要だと私は思ってます。
またピアノを習う教室や教え方は多々がありますが、我が家の理子さんには熟考した結果スズキメソードを教えていただける個人レッスンへお世話になることを決めました。
そのため、今回はなぜ私がピアノレッスンでスズキメソードを選びコドモに学ばせているのかについて、色々な観点を踏まえながらその良さをお伝えします。
■スズキメソードとは?
先ずは私のウンチクより以下をご確認ください。
スズキ・メソード(英語: Suzuki method)は、公益社団法人才能教育研究会(さいのうきょういくけんきゅうかい、英語: Talent Education Research Institute)が普及推進している活動で、音楽を通じて心豊かな人間を育てることを目的とする教育法の一つ。20世紀日本のヴァイオリニスト鈴木鎮一によって創始され、日本、アメリカなどで教育活動が展開されている。主な活動は音楽教育であるが、それが本来の目的ではなく、音楽によって子供の心を豊かにし、自信をつけることにあるとしている。
どうでしょう?
端的に言い換えますと、スズキメソードは音楽を教えるのではなく音楽を通じて非認知能力を鍛える教育法だというです。
また子育ての中では鍛えられない能力開発を音楽を通じて力強く教えていただけるものだと私は思ってます。
またスズキメソードで教える才能教育とは「母国語を話す能力が生まれつきでないように、音楽を含めた総ての能力は生まれつきではなく環境によって伸びるものである。」という〝母国語教育法〟という方法論と効果が科学的根拠に基づいているメソードを使います。
そのため「教え方次第で誰でも成長できる」という信念を持って教えてくれることと、音感を鍛えるために重要な〝耳〟や〝聴覚〟の強化を意図的に高めて育てる方法を取ってます。
この考えや教え方は、ジェームズ・ヘックマンら数多くの教育科学者が唱えている「脳の発達に合わせた教育の重要性」に準拠したやり方であり、コドモが持つ環境への高い適応性を生かした音楽教育だと私は思いました。
あわせて、私が重視する学力や記憶力、非認知能力といった〝知育に必要な5つの価値〟が養える教育方法だと判断して理子さんに学んでもらってます。
■スズキメソードを学んだ有名人
スズキメソードはバイオリン教育で有名ですが、チェロ、ピアノ、フルートに対応した教育プログラムもあり、過去に多くの有名人を世に送り出してます。
バイオリンだと葉加瀬太郎、さだまさし。
ピアニストだとジブリ映画や北野武監督の映画音楽で有名な久石譲もスズキメソード出身者です。
また意外なところだと元長野県都知事で小説家の田中康夫さんもスズキメソードを学んだようで、どの方も音楽の才能のみではなく社会的に影響力や発言力、また理性的でカリスマ性が高い人たちにもみえます。
この理由は、スズキメソードが高度なハイブリッドな教育方法であること、また音楽を通じて知能や能力・道徳観にも影響を与えていると考えられるからだと私は思いました。
このような能力開発効果は有名な脳科学者:茂木健一郎さんも認めています。
■茂木健一郎さん講演”脳科学から見たスズキ・メソード”
脳科学的にもスズキメソードの良さが証明されているようですので、スズキメソードを選ばないリスクの方が多いような気もしてきます。(おおげさですね)
■レッスンの様子
スズキメソードのレッスンでは子供が飽きないような、楽しい練習方法がたくさんあります。
また練習方法も各教室の先生が工夫をして独自の教材を作ったり、生徒の好き嫌いや能力に合わせてアレンジしてくれるようです。
そのため、これからご紹介するレッスンの様子は理子さんがお世話になっている教室で実施されていることであり、またある1日についてのフラッシュバックレポート(一部抜粋)です。
そのため、今回ご紹介するレッスンが全てではないこと、またスズキメソードを教える全ての教室で実施しているものではありませんのでご注意ください。
先日、初めてレッスンに行ったので私なりにちょっとレポートします。
先ず前提として、スズキメソードのレッスンは卒業制度があり、前期初等科から研究科まで数段階の課程をレッスンします。
そのためメインとなるレッスンは教本や複数の課題曲の練習、ハ調長やイ短調といった音階の演奏練習など本格的なピアノレッスンをベースとしたプログラムとなっております。
しかし、これらの難しい練習のみだ集中力や意欲が落ちてしまうこと、また好奇心や欲求への刺激も少ないため先生が色々工夫をして、本格的な練習の合間にカード遊びやお絵描きなどを差し込みます。
今はピアノを習うというより音楽を先生と一緒に楽しんでいるように見えますが、実はこの練習法【インターリーブ】と呼ばれる学習法で、「1つのことを集中して取り組む」より学習効率が良いとされてます。
【インターリーブ】についてはこちらのサイトの「6番目」をご確認いただければご理解いただけるかと思います。
★脳科学が教える「効率的に学習する方法」6つのポイント(6.同時並行的に学習したほうが、新しい情報を覚えやすい)
ちょっと脱線してしまいましたが、スズキメソードは本格的なピアノレッスンを【インターリーブ】を取り入れた方法でまなべること、またこれから紹介するレッスンは【インターリーブ】として〝合間〟として先生が工夫して取り入るているものであり、この〝合間〟においてもしっかり楽しみながら音感を鍛えるレッスンとなっています。
そのため、今回は〝合間〟の部分について一部紹介します。
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●音符ビッツ
これは音符ビッツカードはスズキメソードのピアノ科:川崎紫明先生が開発した教材で、川崎紫明先生がスズキメソードの鈴木鎮一先生と幼児教育の世界的権威であるグレン・ドーマン博士の理念や教育法を学び、なおかつ大脳生理学の研究を進めて出来上がったすばらしい音符教材です。
やり方として、先生が早めくりをしながら描かれた楽譜を読み上げ、生徒が復唱して音符を覚えるフラッシュカード形式のレッスンで、我が家は購入しましたので自宅でも付属のCDを使って一緒に音符を学んでます。
また実際のカードは100枚以上あり、レッスンでは毎回何枚かをチョイスして覚える量を増やしているようです。
そしてこのレッスンでは楽譜を覚えるほかに動体視力と記憶力を鍛える効果があると思います。
また別のプログラムですが、カードを使わず先生が弾いた3つの音や和音を聴き当てるレッスンもあります。
そしてこの音符ビッツと音を聴き当てるレッスン、私の推測ですが2つのレッスンには互換性があって、音符ビッツを見たときは頭の中で音を思い出し、音を当てるレッスンのときは音ビッツのカードを思い出し、両方のレッスンを積めば積むほど互換性が高まり音感が研ぎ澄まされると思いました。
これは知覚的に無意識の領域だったり、一瞬の直感レベルの思考の中のできごとですので、音を起点に【インターリーブ】をしながらだ両方のレッスンを繰り返すことで耳(脳)を鍛えられ、また実際に演奏すれば記憶を再現(体現)することにつながるという優れたレッスンだと思います。
またこのレッスンをNLP観点で考えると、〝見る〟音ビッツ・〝聴く〟音当てプログラム・〝弾く〟ピアノレッスンとなり、これはまさしくVAKモデルに準拠した学習方法だ!と私は思いました。
一見、ただのレッスンと思いきやハンパないハイブリッド感で出だしから圧倒されました。
またこの音符ビッツについては下記URLより一般の方でもご購入いただけます。
★横浜 都筑区センター北の幼児教室 | アサフ音楽院 音符ビッツ幼児教室
●小林一茶の百句俳句を詠む(カルタ)
カルタは記憶力を鍛える効果があり、また俳句は五・七・五という幼児に覚えやすいリズムを持った言葉なので、遊びながら音感を鍛える効果があると思います。
また小林一茶の俳句はキレイな言葉で、内容も四季の暮らしが綴られた童心あふれる俳句であるため、先生と一緒に句の意味や背景を考えることで想像力や創造力を育み、心を豊かに養い育てる効果もあります。
またこれこそ言葉と音のハーモニーの原点ではないでしょうか?
そして理子さん、すでに60句ぐらい覚えているようで、今日は好きな句や思い入れのある句を笑顔で楽しく教えてくれました。
●音当てカルタ
これは先生が『ミュージックマインドゲームス』というカードゲーム取り入れたレッスンで、今回は先生が弾いた短音や和音のカードを取るゲームを私も参加して競争するかたちで音の勉強をしました。
しかし私は全く歯が立たず・・・。コドモの耳ってすごいですね。
またこれも演奏と記憶力の互換性があるプログラムで、音を認知してないと当てられないものです。
あわせて対戦型競争をするやり方は〝夢中にさせて能力を鍛える【ブースト効果】〟があるので、ここでも集中力や意欲を高めながら音感を鍛えるハイブリットな能力開発が成立してます。
また別カードを使ったレッスンがありました。
このカードを使った学習では音符や休符や記号を覚えることと、例えばピアニッシモからフォルテッシモまでの記号を間違えず並べるなど、獲得したカルタを使って意味や役割を学んでました。
このカードを使った学習は〝音を探す〟ことと“カードを探す”という2つの探索行動が必要なので知育効果もグンと高まりますね。
●楽譜でお絵描き
これは先生が弾く音楽や歌を歌いながら絵を描くものです。
こちらも視覚と色彩と音楽のハイブリッド教育で、描いた絵を見ればこっちにも楽しさが伝わってきます。
また音を意識しながら手を動かすということは、頭へのインプットは音で表現するアウトプットが演奏なのか描画ということ。
これも凄く良い脳の刺激になってると思います。
●宝探し!
これもカルタのようなカードを使うのですが、使うカードは既に教えてもらった曲名が描かれているものと、大当たりと描かれているものがあり、今回は私が選んだカードを理子さんは弾いてくれるかたちでレッスンが進みました。
そしてこれは遊び×復習を効率的に進めるものであり、通常の反復復習のみをするやり方と義務感や飽きる感が発生してしまいますが、カード遊びを取り込むことで楽しみながら復習効果を何倍にも膨らます効果があると思います。
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以上のように、スズキメソードは単なる楽曲の習い事ではなく、なおかつ音楽だけを教える教室ではないという理由がわかりますよね。
また、レッスン内容は【インターリーブ】と【ハイブリッド】の掛け合わせ、やる気を加速させる【ブースト効果】、五感を鍛える【VAKモデル】のレッスンサイクル、あわせて先生の声掛けやピアノレッスンの効率を高める環境作りは【ナッジ】という承認誘導効果もあり、効率よく学習できる効果が見込めます。
そして、これら見てわかるように私がこれまで子育て科学として推奨している心理学やコミュニケーション理論が数多く無意識レベルで活用されているところがスズキメソードの「教え方次第で誰でも成長できる」という信念の表れではないでしょうか?
■世論の賛否
スズキメソードは、有る意味特殊な学習方法であるが故に、音楽業界や世論で賛否論が多く繰り広げられてます。
例えば以下は、教えてGooにスズキメソードの賛否意見を求めて肯定・否定の意見が集まったもの。
●教えてgoo:スズキメソードについて
そのため私も正直、最初が疑心暗鬼的な見方を持ってしまいましたが、これら数多くの意見をできる限りに時間をかけて確認を進め、注意深く内容の真偽を判断した上で、最終的にスズキメソードを選びました。
また、私はそもそも理子さんをプロのピアニストにする気はないので〝スズキメソードでプロを目指すこと〟に対するアンチ意見は全て除外し、なおかつピアノではなくバイオリンレッスンに関する諸問題についての意見も除外した上で、スズキメソードに関する否定的な意見をまとめると、概ね以下3点が強い意見になると読みとりました。
1.楽譜が読めない。
2.中途退会者や挫折組が非常に多い。
3.卒業制度がコドモのやる気を削ぐ。
そして、この3つに対して私が解釈した内容は以下で、一個人の意見として耳を傾けていただきたいです。
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1.楽譜が読めない。
これは理子さんの先生も最初に教えてくれました。
またこの意見を言っている人はスズキメソードを卒業した後や、歌謡曲などの楽譜を使って演奏を楽しむ際に苦労した経験を持つ人の発言のようです。
このことはスズキメソードのレッスン方法の特徴であり観点次第でメリット・デメリット多々あると思いますが、楽譜が読めないからという一つの理由だけで演奏が嫌いになるとか、楽譜が読めないことが上達が遅れる致命的な要因であるという因果関係を証明することができないので、この意見に関する信用度は低いものだと思ってます。
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2.中途退会者や挫折組が非常に多い。
これも主観的な考え方で裏付けとなる調査データがありません。
またそもそも〝中途退会〟とは、卒業があるレッスンや学校に限定される考え方で、一般的なレッスンに入学や卒業的ルールが無いので〝中途退会〟という概念を使って一般的なレッスンと比較すること自体間違ってます。
またもう一つのキーワード〝挫折〟も同じですし、挫折した理由も多種多様であり、「プロを目指す」を条件に加えゴール設定した人の挫折人数のみで考えれば分母が小さいので圧倒的にスズキメソードが少ないでしょう。
また数ではなく比率だと主張するのであれば、それこそ主観的な考えであるため根拠レスです。
そのため、数値による証明とその数値に紐付く中途退会や挫折における理由データが無い限り耳を傾けてはいけない情報だと私は思いました。
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3.卒業制度がコドモのやる気を削ぐ。
スズキメソードでは生徒の競争意欲と達成感を養う目的と、教師の指導技術と効果を見える化・仕組み化・標準化する事で教師の経験や技術に左右されにくい教育法を作ったと思います。
しかし一般的なピアノ教室は教師の裁量や才能を主とした教え方で、なおかつ生徒の実力やセンスに合わせた職人技的な教え方をしているため、スズキメソードの卒業制度が〝ひかれたレール〟のように思えてしまうのでしょう。
またこの卒業制度が他人との優劣を計るモノサシともなるし、コドモではなく親が劣等感を持ちたくないという理由で父母間競争が勃発してやる気を削ぐケースも有るかと思います。
しかし、そもそもコドモのやる気って何なのでしょう?
やる気とは目標があることで意欲が高まり、その目標が外的要因(環境の良し悪しや報酬の有無)ではなく内的要因(自己設定したもの)であればあるほどやる気が高まります。
また教師のスキル基準が不明瞭でレッスン目的が「楽譜を習うこと」に主眼をおいている指導方針では、楽しむというより〝弾けるようにする〟ための強制力が強まる恐れがあると思います。
この強制力についてはスズキメソードを教える教師にも該当することなので一概に善し悪し判断できませんが、スズキメソードは〝できなければ進級できない〟という進級条件が明確なので、ある意味〝平等で公平〟が保たれており、また「教え方次第で誰でも成長できる」とコミットしているのではないでしょうか?
以上のことから、やる気を削いでいるのが外的要因の卒業制度だと結論付けする事はできず、こちらも説得力に欠ける信用度の低い考え方だと私は判断しました。
■まとめ
今回は色々な面からスズキメソードを洞察してたらもの凄い長い記事になってしまいました。
また私の推測ですが、ピアノに限らず音楽の実力とは以下の方程式にあてはまるのでは?と思ってます。
音楽の実力=(① 明確な学習手法 × ② 先生の実力と気質)×( ③ コドモのやる気 + ④親の支援)
またスズキメソードは創始者である鈴木先生の教育方針に共感出来る人が習うものであり、単なる「楽器の習い事」や「知育の強化」みたいなマインドのみの人は無難なピアノ教師に通えばよいでしょう。
音楽教室も学習塾やスポーツ教室と同じで、企業や組織が掲げる社訓や使命などを基準に選択することも重要です。
それともう一つ強いて言えば、スズキメソードはロジカルなのでコドモが聴覚優位タイプだとドハマりすると思ってます。
何んせ〝耳〟から覚えさせますからね。
またスズキメソードの教室は以下で検索できます。 先ずは無料体験から!!
■スズキメソード教室検索