『Nudge』の提唱者がノーベル経済学賞に
以前「非認知能力を鍛える環境作りとは?」で紹介した【Nudge】の生みの親であり、行動経済学の権威であるリチャードセイラー氏がノーベル経済賞を受賞しました。
■ノーベル経済学賞に米の大学教授 リチャード・セイラー氏
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20171009/k10011172861000.html
いやー、私が言うのもおこがましい話ですが、彼の理論は非常に的を得ており、また【Nudge】や【デフォルト】、【リバタリアンパターナリズム】という斬新な切り口は行動経済学のレベルを引き上げ、また社会の作り方にも大きく貢献していると思います。
そしてこれから今まで以上に行動経済学が我々の生活や未来を良くしてくれることを期待しますし、色々な生活を心理学のチカラで改善していただきたいですね。
■そもそも行動経済学とは?
そもそも行動経済学とは何なのかを私なりに説明すると、先ず経済学を簡単に説明すると「お金と社会の動き」です。
また社会は基本「合理的」に動いており、もっと簡単にいうとみんなが自分たちの「利益(お得)」のために動いている。
そのシーソーゲームが社会情勢と株価や為替の動きだったり、企業が利益を求めて活動していることでもあります。
しかし社会では『非合理的』のことも多く、これをもっと簡単にいうと「不利益(損)」になることがわかっていても「利益(お得)」を選ばないことがあります。
例えばこんなの
・不健康になる確率が高いのに、価格が安く科学調味料だらけの高カロリー食材を好んで食べる。(将来の医療費の方が高くつくよ)
・無料のドーナツ2個もらうのに、1時間並ぶ(あなたの時給はドーナツ以下?)
・一時的な快楽に溺れて一生の信用を失った芸能人。(長い人生より楽しかったのか?)
このような経済的ではない行動や利益が低いモノへ投資する人の行動は経済学のみでは説明できず、そのときその瞬間の【心理】が非合理的であり『自滅する選択』をしてしまう原因です。
しかし行動経済学は〝失敗しないために〟経済を心理学で良くするモノであり、例えば禁煙を何度もチャレンジして失敗する原因を理解すれば禁煙できるようになるし、深夜の通信販売で余計な衝動買いを避けられるようになる。
セイラー博士のNudgeや行動経済学の理論について詳しい内容は関連書籍を読むか、私のブログ「非認知能力を鍛える環境作りとは?」をみていただきたい。
行動経済学が世の中を良くしていること、ノーベル経済学賞を受賞した理由も納得できると思います。