「小さな哲学者たち」に見る親子教育論
先ずこの予告動画を観ていただきたいです。
内容は、3歳~5歳児を対象とした2年間の哲学の授業。フランスのZEP(教育優先地区)にある幼稚園で行われた世界初の取り組みに密着したドキュメンタリー映画「小さな哲学者たち」の予告編です。
この映画ではコドモの成長とそのコドモに接する親のあり方、そして教育という環境の重要性について、既知の概念を改め直すぐらい衝撃的な内容でした。
小さな哲学者たちと比較
私は正直、哲学的な内容の話し合いを真剣に実施した経験はありませんし、それが故にコドモと哲学について話し合ったことはありません。
しかし映画の中では幼稚園に入った3歳から2年間、「自由」「愛」「死」といった命題や「友達」「親子関係」「貧困」「人種問題」などについてコドモ達同士で意見し、時には悩み、時には対立しながら『哲学の授業』を楽しんでいるようです。
そして、入学間もなく小さかったコドモが心身ともに大きくなって最後は「小学校に入ったら哲学の授業が無くなるので寂しい」というコドモまで現れました。
凄い成長で本当に感心です。
しかし全てが良い方向に進んでいる訳ではなく、全く発言せずに毎度居眠りをするコドモや、暴力や犯罪的な話になると興奮気味に話し出すコドモなどもいたところも現実的な一面だと思います。
しかしこの差はなにか?
学習は学校の中だけではない
この映画では時折、授業を実施している教教師がコドモ達の親へ、授業に対する説明や協力願いを出している。
またコドモ達は、授業で話し合った哲学命題を自宅へ持ち帰り両親と話し合っている。
そして、とある家族の食卓や通学時での会話や親子の振る舞いを収めているシーンがあり、その内容がとても素晴らしく衝撃的でした。
要するに、ごく一般的な幼稚園児が話す内容ではないし、親も有識者であり尚且つコドモへ伝わりやすい言葉を選んで有意義な会話を楽しんでいることは明白です。
日本だと「何で?」の問いに面倒くさく答えたり「そんな時は自分で調べて」といいリビング辞書に頼ってしまうケースが多いでしょうね。
しかしコドモは言葉の意味を知りたいのではなく、自分にとっての答えを生み出したいのだろうと改めて気付かされました。
それと、見るからに哲学の授業を楽しんでいないコドモはどうだっただろうか。
興味が無かったのか、親が協力的ではなかったのか?
どちらにしても、才能は環境によって磨かれること、そして幼児教育の重要性を再認識できる映画なので、知育や幼児教育に関心が高い方は是非ご覧になってください。
「ちいさな哲学者たち」をNetflixで観る