モノで釣る「しつけ」の賛成論
一般的な教育の概念では、自宅学習や「しつけ」においてモノを使って気持ちや行動を促すことを良くないと考えるケースが多いです。
しかし私はどちらかというとバシバシとモノやご褒美を使って「しつけ」を進めている方です。
そのため今回はこの私が言う「モノ」とコドモの「態度変容」や「行動変化」について考えてみたいと思います。
■モノとは報酬であり価値である。
先ず行動後に貰えるモノについて、いろいろな価値観を取り払い注意深く考えてみると、我々大人も大多数は「見返りのない行動はしない」と考え行動していると思います。
例えばもしボランティアなどの慈善活動であっても、厳密に言えば自己満足感や幸福感が得られていると思いますので、行動後には必ず本人が何らかの価値や利得を得ていると考えられるでしょう。
■モノを使うな論を考える。
次に、モノを使わず「誉める」とか「認める」といった承認欲求を満たすような働き掛けを推奨する人がいます。
この考え方について、私も大大大賛成では有りますが、シンプルにモノの報酬と承認欲求の2つ渡した方が効果が良いはずなので、白黒付けず両方をうまく使う【利用技術】を習得すれば問題ないですね。
■モノを使うことの危険性
しかし、どちらも親が使い方を間違えると逆効果なので注意が必要で、特にモノは親が楽をするためや本人の意図にそぐわない行動をコントロールするために使うと取り返しがつかなくなります。
正直モノを使えば楽なのですが、そのうちモノを貰うことが慣れてしまいますし、親が努力すべしことの代替え品としてモノを使うと、コドモはその行為を見透かしタイミングを図ってモノを要求するようになります。。
そのため、「モノを使うな論」とはコドモに悪ではなく親の自滅選択を防止する考え方だと私は思ってますし、モノを使わない手法とのさじ加減である【利用技術】を養えないとハナから否定しているようにも感じるますね。
■大切なのは習慣
何事においても、コドモが自発的に最善の行動をする事が望ましいゴールです。
しかしコドモは自発的に動かないし、何が最善かもわからないので日々の教育によって行動動機に必要な知識や感情、価値観を習得しなければなりません。
そのため親が意欲的に教育機会を作りコドモの行動回数を増やして習得効率を高めることが最も重要となり、結果として『正しい習慣』となり行動や意識の変化につながるでしょう。
この『正しい習慣』をつける目的のためにモノ(報酬)と褒める(承認と賞賛)を使うことを私は『モノで釣る「しつけ」の賛成論』の本質として考えております。
■我が家のケーススタディー
我が家では夏休みの期間中、朝ご飯を毎回残さず最後まで食べることの重要性を理解してもらうためご褒美シールのスタンプラリー(自作)とモノを使って動機付けをしました。
モノはこのプログラムがスタートする初日に提示し、合わせてなぜこのようなことをするのかについてしっかりと教えました。
また失敗(朝ご飯を全部食べられない)ときは『たいへんよくできました』の金色シールと対極にある黒い『もうすこしがんばりましょう』という嫌なのシール(自作)を用意して回避行動を促進しました。
そして全41日間、時には言い合いになったり黒シールの危機を親子で乗り越えながら8月31日にオールクリアの日を迎えることができました。
そしてかなり大げさに盛り上げ、今の気持ちやこれからの意気込みなどを語ってもらった後、待ちに待った商品の受け渡しです。
■【利用技術】は社会心理学の応用
大多数の人に該当する行動と心理の関係性を研究する社会心理学に「コミットメント効果」というものがあります。この意味は、『人間は一度、ある態度や意識を抱くと、その心理や行為に一貫性を保ちたがる』というものです。
今回のプログラム目的である「習慣付け」はこの心理学が利くことによって今後もご飯を全部食べる動機付けにつながると思って始めました。
習慣とは意志決定の現れということですね。
また聴覚優位の理子さんにとって『41回連続成功』という成果情報が何よりの報酬です。
また行動経済学の理論に「サンクコスト効果」というものがあり、何かを止めようと考えたとき、過去に費やした費用や労力、成果がもったいないと考えて現実維持をする行動をとってしまうという考え方です。
そのため理子さんの場合、41回続けたことに対するコミットメント効果とサンクコスト効果が彼女の「態度変容」と「行動変化」に繋がっていると考えられます。
■まとめ
『モノで釣る「しつけ」の賛成論』はモノの持つ危険性を十分意識しつつ、繰り返し習慣の中で体得させるというもの。
また社会心理学の「コミットメント効果」と行動経済学の「サンクコスト効果」を意識させることにが「しつけ」を成功させる【利用技術】だとも考えられるでしょう。
何より「しつけ」は強制的にやらせるのではなく「心を動かす」わけですから心理学の応用は必須であるでしょう。
■気になるプレゼントは・・・
長いお付き合いの方は察してると思いますが、このプレゼントにも幼児教育を加速する知育玩具が仕込まれてます。
具体的にはモノ凄く熱く語りたいので次回をお楽しみに!