親の期待はどこまで正しいか?【トロフィーキッズ@NETFLIX】
2016/10/01
コドモの才能を見抜き、親が多くの資財を投入して一人前に育て上げることはオリンピック選手などの一流アスリートで良くある成功秘話です。
しかしそのやり方はコドモの意志や成果の考え方など、必ずしも全てが良い結果につながらないことは多々あると推測できます。
そして今回紹介するNetflixのストリーミング動画は、このような一流アスリートを目指す5組の親子を追っかけたドキュメンタリーフィルムで、その内容がとても感慨深いモノであったため簡単に紹介しようと思います。
■親とは何かを見直すドキュメントフィルム。
このフィルムで登場する5組の親子の特徴は全ての親が過干渉状態。
つまり必要以上にコドモやコーチなどに干渉しており、ただ単純に観ている私にはモラルハラスメントやパワーハラスメントのようにしか見えないぐらいです。
それもそのはず、このフィルムの紹介文章を読めば一目瞭然です。
子供を一流のアスリートに育てることに執着した親によって、自立心や自尊心を踏みにじられる子供達。スポーツの世界で繰り返される悲惨な親子関係に密着する。
そう、正直全く笑えない内容であり非常に心苦しくなる内容であり、笑えるシーンは無いです。
そしてこのフィルムでは以下五組の親をフォーカスしてます。
・バスケに打ち込む同チーム父子が二組。
・持論を曲げな厳しい父親の元で練習するアメフト選手のワイドレシーバー。
・テニスとコドモに愛情を注ぎ続ける母と双子の息子。
・口が悪く私欲まみれの父の元で練習をする〝女タイガーウッズ〟とメディアが期待する娘。
このフィルムでは特徴の違う親子像を様々な角度から捉え、我々に親子とはどうあるべきかを考えさせることが目的でしょう。
また最後に、このコドモ達がその後どのような道を進んだかのレポートがあり、成功したコドモや途中リタイアしたコドモ、強制的に親が隔離されたりと、親子の顛末を見届けるという意味では私的には非常に面白い作品でした。
■この映画を自分ごと化し子育てとして読み取る。
このフィルムで登場する親は一組を除いて金持ちのように見え、また投資家かな?と思うようなシーンもありました。
また全ての試合や練習にも積極的につき合っている親もおり、時間とお金に余裕がある親子の物語のようにも見えます。
また推測ですが、このような親子二人三脚なったきっかけはコドモに何らかの才能があったと気付いたこと。
そしてその後、親の熱意が異常レベルまでヒートアップしているだけであり、〝才能に気づく〟という意味で捉えると大なり小なりどの家庭にもあり得ることだと思いました。
またちょっと注意深く洞察し【反対側】を考えると見える景色が変わってきます。
例えば、コドモに何らかの才能があったことに気付いたが、親に財力も時間もやる気もなくその才能を磨くことができない。
実はこのような例の方が一般的には多いかも知れませんよね。
そう考えるとこのフィルムの親たちは〝やり方〟に違和感があるだけでコドモを想う気持ちは人一倍強いかも知れません。
また最後のインタビューでは『自分のやり方は正しい』と貫き通す親もいれば、『自分のやり方は間違っていた』と反省する親もおり、また『成果がでないと解らない』というような自虐的迷走コメントをしている親もいました。
そう、このフィルムはきっと『親はコドモのために最善を尽くす必要はあるが、自分の行いに対する善悪が解らない』という当たり前の解を再認識することができるフィルムであると私は思いました。
そうなると、親はコドモに何を期待して何をより所にして頑張るべきなのか?
学校の成績?
スポーツの勝利?
年齢平均やお友達との比較?
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もしあなたがこの問いに少しでも迷ったのであれば『トロフィーキッズ』を見て反面教師的に学習する事をお薦めします。
またこのフィルムの主役である〝親〟ではなく、苦悩しているコドモの状態や心理を注視する事でたくさんの気付きを得ることができるでしょう。
■トロフィーキッズ
www.netflix.com/title/80033946※Netflixは加入後30日間無料試聴できます。
またNetflixを観るならAmazon FireTVstickがお薦めです。