「悪いことはするな!」という躾が事態を悪化している可能性あり!?
多くの人は確率を見誤る。
例えばクイズに答えて正確すると100万円もらえるチャレンジがあります。
またこのクイズにはヒントを貰えるチャンスがあり、成功する確率50%のAと、失敗する確率50%のB、どちらかを一つもらえます。
あなたはどちらを選ぶでしょうか?
Aを選ぶ人、Bを選ぶ人、それぞれの理由があるかも知れませんが「どちらも同じだから」という理由でどちらを選んだ人は居ますでしょうか?
なぜ今回このような話題を出したかというと、モノゴトは伝え方次第で価値が大きく変わるということを体感していただきたかったということで、特にBを選んだ人は行動経済学でいう『損失回避』のバイアス(偏った考え方)によって、実は多くの損をしている可能性があります。
■最悪な悪化とは?
今回のタイトルに立ち戻ってみましょう。
「悪いことはするな!」という躾が損している可能性?
まずこの「悪いことはするな!」とは、悪いこと避けなさい!という指示であり、悪いことが発生しない損失回避を中心にした考え方です。
この言い方が悪いわけではなく、時と場合によりますが、いつもこのような損失回避的な躾をうけている人にとって、このことを言われたときの次の具体的な行動がわからず、また具体的な行動指示もないため、結果として悪いことを実施してしまうという負のルールに陥る可能性があります。
またこのしつけ、良いことが何かを知らないと、行動の良し悪しが判断できず、結果として〝行動できない〟という思考停止を引き起こす、挙句の果てにはコドモが自ら行動ができない引っ込み思案の性格になってしまう可能性もあります。
もしコドモが親とは違い、引っ込み思案な性格であれば今一度『損失回避』な行動について見直してみましょう。
■別の言い方や行動指示とは何か?
親としてはただただ悪いことが起きてほしくないという『損失回避』。
先ほどお伝えした通り、具体的な行動指示やコドモが成長に必要な経験が不足することにより成長の劣化、精神のみ未成熟な状態で成長していく恐れをどうやって回避する、もしくはこれから起動修正すべきなのか?
この答えは状況次第ではあるかと思いますが、マインドとして現状『成功するチャンスを捨てて、失敗しない可能性を選んでいる』という状況を再認識することがあるでしょう。
また以前お伝えした【プロスペクト理論(チャレンジしないリスクの回避法)】でお伝えしたように、ヒトは損失の価値を過大評価する傾向があるため、改めて正確な評価基準(経験則ではない、客観的な視点)を持ってコドモへの働き掛けの改善を目指しましょう。
そして、一番最初にお伝えした『成功確率50%と失敗確率50%の選択』を思い出し、もし過去に失敗したことが多い事案であった場合であっても、『〇〇をすれば成功する(もしくは失敗をしない)から気をつけてね』というような感じで【具体的な指示+気遣い】というフレームで躾けることを心がけると良いかと思います。
しかししかし、『悪いことをしない代わりに、良いこともしない』という平均・平凡を目指すのであれば、私の小言は損失でしかありませんね。