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非認知能力を鍛える環境作りとは?【子育て科学】

2016/07/27

幼児教育における知育や能力開発は保護者が文字通り〝保護〟をしている環境作りだと思っております。

また前回お伝えした3つの教育方針〝やる気〟を鍛える際にも親の働きがけと環境作りが必須です。

そのため今回は、子育てに取り組む環境作りについて、ちょっと視点を変えて行動経済学の視点を取り入れたアイデアをお伝えします。


■環境作りは意志決定力を育てる

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まず、そもそも私が考える環境作りについて考えをお伝えします。

それは場所やモノといった物理的なものではなく、コドモがモノゴトについて自分の意志で判断できる〝意志決定力〟を鍛える環境作りです。

こちら、子育て方針で良くある〝コドモに自由にさせる〟というような放任主義的な考えではなく、親がしっかりと設計した行動範囲の中で自由に動き、またコドモが選びやすい選択肢を与えるというもの。

ちょっと難しいので我が家の事例を使ってご紹介します。

◇事例1:お小遣い制度

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我が家では、4歳の誕生日から毎週土曜日に300円のお小遣いを渡し、基本お菓子や玩具などを買うための資金はこの毎週与えられる300円を軍資金にやりくりしてもらう仕組みを取り入れてます。

毎週300円は多いと感じるかも知れませんが、お金の大切さや重み、好きなものを買うための努力、時には私に奢ってくれる優しさなど、お金を自由に使うことができる環境でないと実行できないような意欲や自制心、やり抜く力や感謝の気持ちといった非認知能力を鍛える環境を与えています。

しかしながらこの制度、ちょっとした仕掛けがあって、例えばモノを買うときなどお金を使うときは必ず親と一緒なので全て監視下にある状況であることと、どう考えても無駄遣いだと思うようなモノを買いたいというときは「今○○を買うと欲しがっていた☆☆が買えなくなるよ!」とか、「それだったらこっちの方がお得だよ!」と【緩やかな介入】をします。
また無駄遣い的な選択をしたとしても、その選択が〝失敗〟であることや、次にモノを買うタイミングで前回の無駄遣いを〝後悔〟させたりと、失敗や負の選択から学ぶ非認知能力も時には意図的にデザインしてます。

このような選択肢を与えながら自分で決めさせることで意志決定力が身につき、その過程で非認知能力が磨かれていくという環境作りであります。


■しつけの本質〝緩やかな介入主義〟

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事例でお伝えしたとおり、親が設計した環境下で自由意識を持たせ、またうまく誘導するような働き掛けや、親の支配感を抱かせずに選好を変化させ自己決定に至らせるという知的戦略を行動経済学では〝緩やかな介入主義(リバタリアンパターナリズム)〟と呼んでいます。

またそもそも、躾(しつけ)は親の働き掛けや行動を通じてコドモに知識や行動規範、美徳と何かを教え込むもの

また強制や操作や説得をして教え込むものではないことと、躾(しつけ)に役立つ状態は親の都合よくあらわれないこと、何より学習とは自発的な行動をしない限り本質を理解できないと思っているため、親が自ら最適な環境作りが必要だという考えると緩やかな介入は必要です。

そのため、事例では〝モノの価値〟を通じて非認知能力を鍛える方法を取り入れているわけです。


■Nudge(ナッジ)する!

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また緩やかな介入主義(リバタリアンパターナリズム)では、環境を作った上で肘でつつく程度の介入が必要だと言っています。

またこの行為を行動経済学ではNudge(ナッジ)と呼び、日本語にちゃんと直訳すると「注意や合図のために人の横腹を時にひじでやさしく押したり、軽く突いたりすること」らしいです。

そしてここまでの流れ、色々きれいごと言ってますが要するに知育や躾(しつけ)のために承認誘導(マインドコントロール)するということ。

また承認誘導(マインドコントロール)は親がコドモを操作したり強制や説得を強いるのではなく、あくまでもコドモの自由選択を重要視して、自分で選んだ納得感や自己効力感(できる感)を抱かせ肯定的な解釈を優先することが大切です。

カラダは動かせてもココロは動かせませんからね!


■重要なのは習慣とデフォルト(初期設定)

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環境作りに関する大まかな考え方や方法論がわかったところで、次は実際の作り方について考えを進めます。

では先ず、何事をするにも必ず親も非認知能力を発揮して最後までやり抜くこと、また【習慣化】する事が重要です。

また別の言い方をするのであれば〝親が信念を曲げない〟という考え方でもあり、コドモにしっかりと知育や躾(しつけ)をする上で、親が自分の都合で態度や方法の強弱や可否を作らないことです。

やるからにはトコトン!です。

また環境作りには事例1のお小遣いのようにルール設定が必要で、その上で重要なのはデフォルト(初期設定)です。

デフォルト(初期設定)が曖昧だと途中で迷うし、難しすぎると習慣化につながらない。

また最初から難しいことはできないから徐々にルールを難しくしていくようなモノも良いでしょう。

こちらも我が家の事例を使って紹介します。

◇事例2:朝のお勉強

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我が家では勉強する事の習慣を身につけることを目的として毎朝6時30分頃から最大30分リビングでお絵かきやひらがなや数字などのお勉強をしています。

この習慣、最初はただのお絵かきとか塗り絵とかパパと一緒に色鉛筆を使って遊ぶというところから始め、次第にナンバリング塗り絵やしりとり迷路、図形の見分け方など勉強の難易度を上げて行きました。

また、毎回お勉強内容はプリントをお店のように広げて本人に選ばせており、自分が出来るモノややりたいモノが選べるようになってます。

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しかし、ナッジするため並べるプリントを厳選しますし、ちょっと自尊心をくすぐって高いレベルに挑戦させたりと内容をコントロールしてます。

あと、あくまでも目的は習慣化なので、時にはフリーのお絵かきしかやらないこともありますし、簡単なプリント一枚で三分も経たずに終了する事もあります。

しかし絶対的なデフォルトルールは〝色鉛筆〟を使うことであり、絶対〝机の上〟で取り組むことです。

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つまり、勉強をすれば良いとか知育なら何でも良いというわけではないです。

またこの習慣化のため私は毎朝6時に起きて会社へ行く支度を済ませてから取り組み、ママはお勉強をしている間に朝ご飯の支度をする。

そのためこの習慣は夫婦親子一枚岩になって続いているものでもあります。

また毎回お勉強が簡単なことばかりではないので、途中で投げ出さないような声がけや、時には親子で同じプリントに取り組み競争をしたり、「これはできないでしょ!」みたいに自尊心くすぐるようなブーストをかけて意欲や好奇心、やり抜く力といった非認知能力を鍛えています。


■環境作りは親の努力

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今回は我が家が行動経済学からアイデアを拝借して幼児教育における非認知能力を鍛える環境作りのお話をしました。

またお気づきかと思いますが全てにおける知育・能力開発は親がどれだけ動くか次第ですし、コドモは親を見て真似して育つので、親が非認知能力を意識して日頃行動する事も重要です。

まさに子育ては自分育てですね。

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