コドモとココロ:子育てを科学して楽しむ!育児・知育・学力アップの論理的なアイデア

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危険!学習性無力感を生み出す親の傾向

2020/11/16

 

学習性無力感(がくしゅうせいむりょくかん、英: Learned helplessness)とは、長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物は、その状況から逃れようとする努力すら行わなくなるという現象である。他の訳語に学習性絶望感獲得された無力感学習性無気力がある。

なぜ罰されるのか分からない(つまり非随伴的な)刺激が与えられる環境によって、「何をやっても無駄だ」という認知を形成した場合に、学習に基づく無力感が生じ、それはうつ病に類似した症状を呈する。

Wikipediaより引用

いきなり重たい話ですいません。

またこの話は以前『教育ママ』が陥る二つの発達問題と対策でも取り上げましたが、最近になってコドモが学習性無力感に陥っていると感じる話を聞くようになりました。

そのためもう一度考察を深め原因と対策など考えてみようと思います。


■原因は個人ではなく環境か?

先ず過去の学習性無力感に陥ったコドモの事例について、Wikipedia説明にある「長期にわたってストレスの回避困難な環境に置かれた人や動物」という点が原因のひとつであり、多くのケースは「貧困」がきっかけで衣食住が不十分だったり、親が働きに出かけているためコドモと過ごす時間が無いことなとが原因だったようです。

また「親の言動が暴力的」であったり、そもそも犯罪などが発生する危険地帯で育ったコドモが該当し「逃げられない状態」がヒトの心を弱くし、その代償として学習性無力感に陥るようです。

しかし私の知る3例では「貧困」でもないし「親の言動が暴力的」でもなく「危険地帯」にも住んでいない。

では何故学習性無力感に陥ったのか?

ここからが私の推測です。


■原因は「親の余裕」では?

先ず私の知る3例の共通点は親が共働きであること。

しかし今や共働きは日本において5割以上の世帯が該当し、年代別で見ればば20代~30代は6割を軽く越えているので主たる原因とは考えづらいです。

参考サイト:現代は共働きは当たり前?共働きをしている夫婦の割合と子供の年齢との関連性https://matome.naver.jp/m/odai/2139746398213123901

 次に考えられるのは環境ではなく親の子育て方法にあるのかと考えられます。

その理由は多々あるのですが、私の読みではコーチングでよく使われる「ソーシャルスタイル理論」における『ドライバータイプ』の人がコドモを学習性無力感を誘発しやすいと考えました。


■ソーシャルスタイル理論とは?

ソーシャルスタイルとは、アメリカの心理学者であるデビッドメリルが1968年に提唱した行動科学理論で、多くの人が習慣的にとるコミュニケーションの特徴や行動傾向を4つのタイプ分類し、その違いを認識することで円滑なコミュニケーション図るという手法です。

※4つのタイプ

・アナリティカルタイプ(思考派)

・ドライバータイプ(行動派)

・エミアブルタイプ(協調派)

・エクスプレッシブタイプ(感覚派)

詳しいソーシャルスタイル理論に関しては以下のサイトが分かりやすいで私からは割愛します。

■あなたは何タイプ?コミュニケーション上手になるための4タイプ診断法

https://next.rikunabi.com/journal/entry/20151203

そして私がいう「ドライバータイプ」の人を簡単に説明すると、その人は相手をコントロールして自分の都合良いように動かすことを得意とするタイプで、傾向が強い人ほど自己中心的な考えを持っているようです。

そして、そのタイプの裏にある多くの理由には「時間がない」とか「無駄を省きたい」とか、自分(親)中心でモノゴトを考えていたり、自分の理想を押し付けていることが最善だという信念(ビリーフ)を持っていると考えられます。

そんなドライバータイプの親に対して、コドモは何を言っても理詰めや圧力で潰されてしまい、例え親の間違いであっても反抗や言い訳の意味が全くなくなってしまう。

そのためコドモは学習性無力感の方向へ崩れ落ち、親は「自分は厳格で真面目だ」とか「自分のコドモは云うこと聞く良い子」だと勘違い、負のスパイラルが現状悪化を加速させるとなるわけです。


■もう一つの原因

いったん話を戻します。

先に私は学習性無力感だとおもう3例を知っているとお伝えしました。

そして推測した「ドライバー型の親」は3例のうち実は1件のみであり、残り2件は全く違う原因だと思ってます。

ではその理由は何かというと、ズバリ『ごめんなさい型の親』だと私は思ってます。

そしてこの『ごめんなさい型の親』とは、コドモが親に何かお願いした際「ごめんなさい、時間が無いの」とか「ごめんなさい、そんな余裕いまはないの」と断り続ける親のタイプで、コドモは「何を言っても叶わない、無駄だ」という気持ちを抱いてしまうこと。

ドライバー型の親とアプローチは違えども同じ結果に陥るという恐怖!

また親はコドモのために一生懸命働いていたり、いつもコドモのことを第一に考えている心優しい人だったりするのですが、ちょっとしたこだわりや小さな損失回避の積み重ねでコドモのココロにダメージが蓄積されるというパターンです。

こっちは結構厄介ですよね。色々なことが絡まり合って、またお互い悲しい物語の主人公だったり・・・。

また育児鬱もこのような環境から自分を攻めたり、助けてくれる人が居なかったり、学習性無力感になったコドモを見て自分を攻めてしまい親もコドモも心の溝にハマってしまいます。

このような2例が私のところにやってきた相談相手の現実です。


■学習性無力感の予防法

正直、この記事を読んでいる熱心な方々と中にはコドモが学習性無力感に陥ること、また既に陥っているコドモは居ないかと思います。

しかし、もしちょっとでも不安であれば自分の子育てや接し方を見直し、またコドモの反応について洞察してみてください。

またソーシャルスタイル理論については簡単な診断サイトもありますので、自分のタイプを確認してみては如何でしょうか。

■ソーシャルスタイル診断http://kazupc.com/s-style/k/

それと周りの人に学習性無力感っぽいコドモがいて、その親から相談を受けたら先ず可能性として「学習性無力感」のことを伝え、また以下の書籍をお薦めしてください。

この本ではやる気と学習性無力感について分かりやすく説明しており、先ず知識をつけてしっかりと自分やコドモを軌道修正するハンドルを見つけることが良いかと思います。

しかし、もし現状が深刻で本格的に治したいなら、NLPなどの資格を持っていてココロの因数分解できる人や児童相談所などに話をして回復へ向けたプログラムを作り中長期的に修正をしながらトレーニングすることが良いと思います。

時間をかけて考え方を見直したり、環境を変えたり、伝え方を変えたり、時には気分転換したりと、具体的で実行可能なプログラミング方を作り、実行と改善を繰り返すことが非常重要です。

書籍にも書いてありますが、タイミングさえ逃さなければ必ず治るとも考えられているようですし、インパクト次第では「心を入れ替える」みたいに即日変化が起こることも考えられます。


■効果的な治し方

もしコドモに対して自分が原因だと感じているなら、医療やカウンセリングや科学的良法に頼らず、先ず『ごめんなさい』と平謝ることが絶対必要で、かつ非常に効果的です。

あわせてコドモでも相手を人格者と認め、お互い言葉では伝えてない気持ちや思いを全て出し合い、そして「次からどうする」や「どうあるべき」いった行動指針や達成目標を親子で共創する事で現状は大きく変わります。

心理学では「思い込み(ビリーフ)」や「心の型(スキーマ)」とか学習性無力感の原因を色々分析したり、専門家が独自の治し方を提示していたりしますが、何より親子の問題だったら当事者同士でしか本質の改善はできないので、医療や科学的根拠に基づくロジックで改善できると安易に考えないと方がよいでしょう。

親子関係の歪みはそんな簡単なモノではないです。

だからコドモがキレたことがキッカケで仲直りしたり、余計溝が深まったりと、毎ドラマチックな毎日の中でどれだけ自分が真摯でフラットな立場や心を維持継続できるかが鍵です。

またNLPの基本理念の一つに「他人と過去は変えられない。変えられるのは、自分と未来だけ。」という非常に重要で大切な考え方があります。

学習性無力感に限らずコミュニケーションにおける問題解決は、相手に何か求めるよりも自分が変わって、その結果、変わった自分に接する相手の反応が変わるという流れを自ら作るしかありません。

自分を見直し、自分を変えること。

しかしキレイごと抜きに、一人心を変えられないのであればプロに相談してみましょう。

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