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隠れた知育良書を発見!|知的好奇心【お薦め知育学習本】

2016/07/26

幼児教育について役に立つ、なおかつ詳しく論理的に記述されている本を見つけました!

コレこそがセレンディピティ!

この良書、半分近く幼児の特徴や具体的な教育が書かれてますがきっと育児支援関連の書籍コーナーにはないでしょうね。

仕事柄もありますが、心理学に紐付く書籍を読む機会が多く、今回はモチベーション=動機付けについて探求していたところで遭遇。今回は簡単に本の紹介をします。


■知的好奇心

先ず肝心の本を紹介します!

先ずこの本の凄いところは、1973年に発行されて未だに増刷されていることろ。

きっとベーシックなものとして教育心理学の世界で読み継がれているんでしょうね。

内容は学術的でお堅い感じですが、全ての理論において科学的根拠として臨床実験による検証がされているので説得力があります。

なので知育をロジカルに進めたいパパにはすんなり入ってくる内容だと思います。


■ヒトと動物の違い

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先ずこの本では、好奇心の源流にある〝欲求〟について定義してます。

そして動物は〝生存のため〟や〝苦労や困らない〟ことへの欲求が主となり、端的な好奇心はあっても知的な動物でないかぎり〝興味〟や〝遊ぶ〟為だけの行動はほとんどないということ。

しかし人間は知識を得ることに快楽があり、〝暇つぶし〟や〝生存に関係ないこと〟まで手を伸ばす〝学習意欲〟というものが存在しいるが故に〝知的好奇心〟が生まれる。

また知識を得るのとで成長を感じる〝向上心〟もヒト特有なものだと書かれています。

このことはヒトにとって【情報】が生存には欠かせないものだという認識から来ているみたいですね。


■2つの知的好奇心

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知的好奇心の意味が理解できたところで、次はどういうタイミングで知的好奇心が生まれるかについて書かれており、要約すると以下2つの好奇心にまとめられてます。

・拡散的好奇心

興味や情報への〝飢え〟から生ずる好奇心で、はっきりとした方向性を持たないが、ある程度好みがある。

・特殊的好奇心

自分の知識が不十分だとわかったときに生じる好奇心で、その不十分さが埋められるまで続けられる。

 

拡散的好奇心はテレビを見たり本を読んだりするような行動の中にあり、そのとき見る番組やコンテンツのジャンルに好みがあるということ。

しかし特殊的好奇心は〝不十分〟を感じたときにに発動するので好みよりも目的が重要視されたり、また同時に〝不快〟や〝悩み〟を抱えてしまうと時には盲目的に活動する恐れがあるということ。

例えば〝ダイエット〟について、「このまま(今のやり方や保有している情報を駆使しても)では痩せない!」という不十分さから知的好奇心が生まれ行動への動機付けが形成されるという感じです。

またこの2つの知的好奇心は、どちらかのみが働くのではなく、時として使い分けたり入れ替わっていたりするということ。

暇つぶしにテレビをみていたら判らないことが出てきてスマホでググるとかって良く有りますよね。

そして〝不十分さ〟〝知的欲求〟が満たされたとき〝楽しい〟などの【快楽】が人には必要であり気持ちよいものだと書いてあり、安心ではない〝満足〟がここにあると思いました。


■幼児教育への発展

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〝欲求〟と〝2つの知的好奇心〟について理解が深まったところで、幼児の発達と教育について話が展開します。

先ず子供は幼児期から知的好奇心がおう盛であること、知的好奇心の先にある【快楽】こそが学習意欲を育て【内発的動機付け】=自分からやる気を出すものだと言ってます。

これはとても納得です!

またこのような【内発的動機付け】をするには義務付け的な教育や集団的教育では不十分だとし、解決方法として具体的な方法を細かく説明してます。

そして、教育には必ず“楽しさ”が必要で、その楽しさにつながる“観察力”を鍛えることが必要だとも言ってます。

その上で“観察力”を鍛える方法として以下のようなことを言ってます。

□子どもの持つ信念や先入見の利用

子どもの持つ信念から導かれる予想に反する現実を示す。

例:ジュースを飲むストローに穴あけて吸えないようにする。
そして普通にジュースとそのストローを渡してジュースを飲むと吸えないことに気づく。
これって何でだろう?

□足掛かりになる知識を与える

大ざっぱな法則を伝え、当てはまらないことを伝える。
また普遍妥当性を与えても、それを普遍妥当性だと知らせない。

例:水は高いところから低いところに流れる。
しかし、血液は足からでも腕からでも流れている。
これって何でだろう?

□既知の知識のズレに気づかせる

子どもがすでに持っている情報相互にズレがあることを気づかせる。
「どっちが正しいのだろう?」という当惑状態におく。

例:絵の具などの混色知識があることが前提。
絵の具では、赤と緑を混ぜると茶系(濃く)なるが、赤い光と緑の光を混ぜる(交差させる)と黄色になる?
これって何でだろ?

ちょっと難しくなってきましたよね・・・・w。
またどのような方法であっても子どもにとって“自由”な活動の中で学習機会である“発見”を促すような環境を大人がつくらなければいけないとも言っております。
そうですよね。確かに自由にやらせれば色々学ぶかも知れませんが、その自由をデザインして効率よく知育につなげなければ教育とはいえない。
この辺のコントロール方法についても教育者の“在り方”としていろいろアドバイスが書かれています。


■まとめ

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端的にいうと“コスパ最高!”です。
知育に関する本の多くは“ベキ論”とか“マインドセット”が中心のなか原理原則を詳しく説明していることで、具体的な活用用途や“自分ごと化”ができると思います。
この知識をもって、前回お伝えした“知育に必要な5つの価値”について今後掘り下げていければよいかと思ってます。

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