そもそも「育てる」って何だろう?→非認知能力を鍛え、発達課題を乗り越えること
2018/05/02
親がコドモを育てるという言葉の意味には「発育」「能力開発」「知育」「発達」という意味が含まれていると思ってます。
このような意味や目的を持って子育てや幼児教育に取り組むことは非常に重要です。
そのため今回はこのわかっているようで難しい「育てる」について色々観点を覗きながら科学的知見と『発達課題』という重要なテーマについて私なりの視点で考えてみようと思います。
まず発育を辞書で調べるとだいたい「そだって、だんだん大きくなってゆくこと」と出てきます。
要するに発育とは食事を与えたりコトバを教えたりと親や大人が働き掛けをすることということです。
そして知育とは、発育における知能面で必要な働き掛けをすること、知能を育てるという行為です。
そのため知育の大切な意味として「親が特定の知能に対して意図的に働き掛けをしてその知能を育てる」ということであり、またよく間違えがちな「知育玩具を与えただけでは発育しない」ことだと思います。
幼児教育の一環として知育玩具を使えば〝夢中になる〟ことや〝やる気〟といった【非認知能力】を鍛えることにつながるとは思います。
しかし親がしっかりと目的と目標を持ち、「○○をすれば○○という知能が育つ」というような感じで働き掛けをすることが幼児教育の本質だと私は思ってます。
またその目標に対する結果を誉めたり、目標の難易度上げて挑戦させたりと、本人のレベルに合わせて非認知能力を鍛えるような働きがけも幼児教育として必要不可欠です。
また対人的なコミュニケーションも必要であり、ひとりで知育玩具を使い遊んでも知育効果や意図した能力開発につながりにくいは思ってます。
次によく出てくるキーワードである能力開発について考えてみます。
まず能力開発を辞書などで調べると「自分のもっている能力を発見し、その能力をより一層高めること。」とあります。
つまり、まず能力を発見することが重要で、その能力が優れていれば磨き上げ、劣っているのであれば鍛え上げるという行為が能力開発だということです。
また能力を発見するにも伸ばすにも、対象となる能力の種類や役割を知らないと行けません。
そのため私は認知能力をMI理論、非認知能力は書籍「成功する子、失敗する子」や「一流の育て方」で紹介しているモノを基準に、自分のコドモに合わせたアレンジをしてコドモの能力開発を進めてます。
また知能を理解することと、知能を鍛えることは別です。
例えれば〝泳ぎ方〟の種類や方法を多数理解したとしても、それだけで泳げるようにはなりませんし、また〝泳がせる方法〟はコーチングテクニックの領域であったり、また能力を鍛える環境作りや動機付けためには心理学の応用が必要となります。
このように、細かく考えれば考えるほど奥が深いのが発育であり、そして発育の結果が〝発達〟につながると思ってます。
では、発達とは何でしょう?
こちらも色々調べた結果をざっくり伝えると「発育が基準に達成する、もしくは基準に近づく」という意味です。
またハーロックという心理学者が「年齢に応じた心身の構造と機能の変化」と言っているように、年齢ごとに定められた〝基準〟があり、その基準と比較することで発達の良し悪しわかることとなります。
そしてこの基準、正式には【発達課題】というもので子育てを科学するためには非常に重要な考えで、発達段階で果たしておかなければいけない課題があるということです。
発達心理学や教育哲学ではコドモの発育を+αを獲得する目的思考型ではなく、マイナスを発生させず±0を目指す問題回避型の考え方をしているようです。
またこんなことも言ってます。
各時期に課題をしっかり達成すれば、その後の課題達成も容易になり、成熟した大人になれるというもの。
しかしもし失敗すれば、その後の課題達成も困難になって、不幸な結果を招く。
そしてその課題は各時期にしか解決できないものがあり、この課題は身体や脳の発育に大きく影響を与える。
恐ろしいですね・・・。
ここまでの流れで、発育と発達の関係および能力開発の目的が発達課題の解決であるとお伝えしました。
またこの発達課題については教育心理学者のロバート・J・ハヴィガーストが最初に提唱し、その後エリク・H・エリクソンな様々な心理学者がそれぞれの発達課題を提言し重要性を訴えてます。
そして具体的な内容は数多くあるのですが、今回はあえて内容には触れません。
※詳しく知りたい方はこちらを参考
なぜ触れないかというと、私が発達課題のことについて一番伝えたいことはその内容ではなく、発達課題を解決しないと【未成熟なココロとカラダ】になる可能性が高まるということであるからです。
そしてこの【未成熟なココロとカラダ】こそが今話題の【非認知能力】など知育に必要な5つの価値に話がつながるということです。
■まとめ
「育てる」ということは、しっかりとした〝モノサシ〟と〝目的・目標〟を持って取り組むことが大切です。
これは一見難しく大変に思えることですが、その苦労は親だけであり、また親が苦労をしないマイナス状態ではコドモ発育・発達が遅れたり課題未解決に終わる可能性が高まるでしょう。
また能力開発や発達はコドモに限ったことではありません。
大人も夢と希望を持って自己実現を目指して行きたいですね。