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イチロー選手の名言分析~ルーティンの本質~

2016/08/25

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メジャーリーガーのイチロー選手が以前テレビ番組に出演していた際こんなことを言っていた。

「僕は同じことをずっとできるんですよ。
オフの間4カ月間、日本にいた。ほぼ、1曲で生活できた。
アホでしょう(笑)。ぼく、そういうタイプなんですよ。」

これを聞いて私は驚いた、やはりデキル人は違うと・・・。

また普通の人は同じことを繰り返し続けると大人でもコドモでも飽きてしまうのにイチローは〝大丈夫〟な人間らしい。

そのため今回はこのイチロー選手の名言をを心理学的な知見で分析をする事で、なぜ同じことを繰り返すことができるのか、また最近よく聞くルーティンの本質やその先にある成功について考えてみようと思います。


■イチロー選手の名言続き

先ほどのイチロー選手の名言、実は非常に重要なことを言っている続きがあります。

「僕は同じことをずっとできるんですよ。
オフの間4カ月間、日本にいた。ほぼ、1曲で生活できた。
アホでしょう(笑)。ぼく、そういうタイプなんですよ。
ずっと聴いているとオヤオヤというのが出てくる。
詩と歌っている人がマッチしないとか。
それってずっーと続けていないと見えてこない。
すごく単純なことですけど、それは合理的な考え方を持っている人達は省きがち。
だから見えないものがいっぱいあると思う。
狭い世界でも、ずっと見ていたらいろんなものが見えてくる。それははっきり言える。

いかがでしょう?

最後の「狭い世界でも、ずっと見ていたらいろんなものが見えてくる。それははっきり言える。」というコメントが全てを物語っていると思います。

また以前頭の回転に関する記事でイチロー選手は天才ではなく努力を惜しまないひとだともお伝えもしましたが、彼が「はっきり言える」とまで明言している【見続けること】が我々の生活にも役立つヒントだと思いました。


■【見続けること】とは?

私はイチロー選手の名言を何度も読み返して考えているうちに、「なぜ見続けることを重要視しているか」について以下3つの要因が有るのではと推測しました。

1.自分なりの答えを探している。

イチロー選手の言葉の中に「ずっと聴いているとオヤオヤというのが出てくる。」というコメントがあります。

このこの発言の裏には、イチロー選手の中に曲を聴く理由や基準となる心のモノサシがあって、そのモノサシと比べることで〝オヤオヤ〟と違いに気付くということではないでしょうか?

またこのような考え方はイチロー選手が比較対象として掲げた【合理的な人】の場合、選好の理由が「今流行っているから」とか「好きなアーティストだから」という理由が少なからず含まれているケースが多いと考えられます。

そのためイチロー選手はこのような一般的な理由やモノサシのみでは判断しないと間接的に物語っていると言えるでしょう。

そしてイチロー選手は「なぜ流行っているのか?」や「なぜこのアーティストは好きなのか?」という考えや「流行っているから良い曲とは限らない」とか「好きなアーティストが作る曲が全て良いとは限らない」といった考えの偏り(心理学でいうとバイアス)を無くすような考えを持っているのではないでしょうか?

このような理由から、日頃何事にも平等で公平に、なおかつ冷静に対応しているイチロー選手の言動の現れであり、多くの人が何を言おうと自分なりの答えを出すことへ高い意識と価値を持っているのかと感じました。

2.自分なりの答えを探す行為を大切にしている。

次は目的意識の違いで、先にお伝えした自分なりの答えを探すという〝結果(リザルト)〟のみならず、答えを探すために頭を使う〝行為(プロセス)〟にも大きな価値を持っていると思いました。

また更なる推測ですが、この行為に関してもかなり制約事項(自分なりのルール)をつけていると思います。

例えば今回の一曲の場合、途中で一時停止や巻き戻しをしないとか、その曲に関する情報をGoogle調べたりしないとか、答えを出すことを目的としておらずその答え探しの行為も楽しんでいると思いました。

このことにより、毎回頭を使うことが楽しい、また制約事項が以前お伝えしたインターリーブを取り入れた学習法にもつながり毎回飽きずに取り組めている。

また目的は自己成長の糧なので、行為が作業にならず、毎回新たな発見や復習効果などの価値を見出していると思います

3.時間と労力と感情に余裕がある。

最後の一つは、そもそも同じことをやり続けるだけの余裕があることも重要な要因です。

またその余裕を作ることや、新たな興味や関心事に対して時間と労力の使い方をコントロールできる人だともと思いました。

なぜか?という理由は、イチロー選手が幼少期から取り入れている有名なルーティンを分析すると見えてきます。

先ずルーティンとは決まり切った手続きや仕事のことで、日課や定常処理、ひとによっては願掛け的な意味も含めた行動だと思います。

しかしルーティンの本質は、何事においても同じことを繰り返すことで時間と労力や感情を最小限化にして最大のパフォーマンスを出すことができる選択肢だと思ってます。

また別の見方をすると多くのことルーティン化しているため、同じ行動と目的を持っている他の人より迷わず、時間と労力と感情に余裕があるとも考えられます。

またルーティン派の人が一番無駄だと思っていることは「悩むこと」に伴う時間と労力に感情をつぎ込むことではないでしょうか。

特に感情は尾を引きますからね。

またこの考え、APPLEスティーブ・ジョブズの黒タートルネックとGパン、Facebookマーク・ザッカーバーグの灰色Tシャツなど有名ですね。

また毎回同じメーカーの同じスーツを着用しているオバマ大統領のコメントでは

「私は常にグレーか青色のスーツを着用している。こうすることで私が下さなければならない決断の数が減るんだ。何を食べるか、何を着るか決める余裕はないし、他に決断しなくてはならないことが山のようにあるからね(Vanity Fair)」

と言ってます。

この発言でわかるように、ルーティンや同じことを繰り返すことにはパフォーマンスの最適化と合わせて自分が持つ時間と労力と感情をコントロールしているモと考えられます。

また自分自身をコントロールしているが故に、同じことがうまく行かない時やルーティンがうまく動かない時に対する違いにも気付ける。

このようにルーティンは本人に取ってもの凄く合理的な主観的行動になっており、また労力と時間と感情の価値をコントロールするための選択肢であるため、同じことを繰り返すことに集中できると思ってます。


■子育てに活かす為には

イチロー選手のような成功者にはならないにしても、イチロー選手の考えや行動知力・学力・体力・精神力などの能力向上につながる生活習慣や美徳・道徳・躾につながると思います。

そのため、ちょっと分かり易くするための今回の内容を子育てに置き換えて見ました。

1.行動指示において「みんなやってる」や「当たり前」というような一般常識的な活動目的(外発的動機)ではなく、「自分のため」とか「目指す目標や夢のため」というような主観的な活動目的(内発的動機) を意識させる。

2.あまり最終結果にこだわらず、また途中結果や活動行為をしっかり見てあげて、一つずつ小さな成功を積み上げ自己目標へつなげるようサポートする。

3.先ず親が余裕を持って対応し見守る。また決して判断を急がせず、自らの選択した行動に価値を持たせ、その選択した行動をルーティン化できるよう支援する。

どれも簡単ではないですね。しかし親も最終結果にこだわらずトライ&エラーも必要です。

また子育てに正解はないので自分なりの答え(内発的動機)をしっかり作りつつ、親子でレジリエンスを鍛え心が折れないように頑張ることが継続の価値だと私は信じてます。

合わせて、我が子もイチロー選手のように人望溢れる人になるよう一緒に頑張りたいと思います。

(みんななれるよ!)

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