コドモの優位感覚に合わせて自分を変える~NLP:VAKモデル~【子育て科学】
2018/10/24
これまでに、幼児教育における学習効率を高める脳の仕組みとしてNLPのVAKモデルをご紹介し、その仕組みや優位感覚という考え方、またコドモの優位感覚を見抜く方法をお伝えしました。
そして今回は、コドモの優位感覚を理解した上で、どのように子育てへ役立てるのか、またどのように対応すべきかなど、コミュニケーションでVAKモデルを活用する方法をお伝えします。
■ザックリとおさらい
以前の記事で、脳の使い方と合わせてNLPのVAKモデルを紹介しました。
またヒトは利き腕のように得意な感覚を誰でも持っており、このことを〝優位感覚〟と言います。
また良好なコミュニケーションをするには相手の優位感覚に合わせてコミュニケーションすることが良いとお伝えしました。
また相手の優位感覚を見抜くため、2つの方法をお伝えしました。
◇一つめ:目の動き
◇二つめ:ジェスチャー
・視覚
・聴覚
・体感覚
そのほか、モノごとを伝えるとき(情報伝達/アウトプット)絵を描いたり論理的に伝えたり表情が豊かだったりと、老若男女万国共通の視点としてお伝えしました。
そして、相手の優位感覚を知った後、どのようにすべきかが今回の本題です。
■性格的特徴=タイプを知る。
優位感覚を知り得たので、次はその優位感覚を持っているひとはどのような人が多いかについて考えてみます。
※以下はあくまでも傾向です。絶対ではありません。
【視覚優位タイプの傾向=見た目・チャレンジ重視型】
・見た目や結果を重視しており、〝どうするか〟〝どうなるのか〟など、結果が見えないとやる気が出なかったり苛立ったりします。
・どちらかというと活動的でポジティブ思考、新しいことにチャレンジすることが好きです。
・傾向として、良い事や効果的なことが好きだが、後先を考えなかったり判断基準曖昧で目移りしやすい。
・モノごとを途中で止めたり〝見切り〟をつけるのが苦手です。
・世の中の流行やお得情報が好きで流されやすいところがあります。
※コドモでの特徴
・見た目だけで判断する傾向があり、格好良さや美意識、ヒーロへの憧れが強い傾向があると思います。
・何かを教えるときは口で説明するより、大人がお手本を見せたりできる人のモノマネをさせた方がが理解しやすく、お手本や自分で見たままと同じようにできたことに喜びを得ます。
【聴覚優位タイプの傾向=手続き・理論重視型】
・情報の信用性や証拠を重要視、
・どちらかというと合理的で論理的な思考(±0)、良く考えて事実を明らかにすることが好き。
・事実に基づく行動が好きだが、知らないことへの対応や優劣の判断ができないと思考停止になる。
・自己表現が苦手。
・事例や実績、権威あるものに流されやすい傾向があり、現実主義者的な考えを持っている。
※コドモの特徴
・まだ知識が少ないので合理的や論理的な傾向はないと思いますが、順位や数量を使った比較で多かったり速かったりすることの拘りが強い傾向にあると思います。
・何かを教えるときは時系列や順序、モノの名称や意味・ルールをしっかり伝える方が理解しやすく、またルールを守れたことに喜びを抱きます。
【体感覚優位タイプの傾向=情熱・感情重視型】
・自分の感情や相手の心象を重視、楽しく嬉しいことでないとやる気が出なかったり苛立ったりする。
・どちらかというと情熱的で情緒的思考、自分が捉えた感情や感覚、場の雰囲気に合わせた活動が好き。
・一つのことをじっくり取り組むのが好きだが、 自分の意見を明確にしたり〝判断〟することが苦手。
・体調や気分が行動に出やすく、ちょっとした嫌なことや、時にはお腹が空いているだけでもイライラしたりする。
・他人の意見やうわさ、カリスマ的な人の助言やアイデアに流されやすい傾向にあります。
※コドモの特徴
・自分が好きなモノに対しては熱心だか、好き嫌いの落差や幅が広く〝気分屋〟的な傾向もあります。
・何かを教えるときはボディタッチをしながらお手本を見せたり順序を教えること、また〝こうやったらママは嬉しいです。〟や〝パパが喜ぶよ〟といった行動による情緒的影響を伝え、その反応を得られると喜びを抱きます。
※コドモの特徴
・自分が好きなモノに対しては熱心だか、好き嫌いの落差や幅が広く〝気分屋〟的な傾向もあります。
・何かを教えるときはボディタッチをしながらお手本を見せたり順序を教えること、また〝こうやったらママは嬉しいです。〟や〝パパが喜ぶよ〟といった行動による情緒的影響を伝え、その反応を得られると喜びを抱きます。
■さらに熟考
紹介さたVAK別タイプはそれぞれ〝当たってる or違ってる〟などあると思いますが、そんなことより重要なのは相手の優位感覚へ合わせることです。
つまり、自分が無意識に行動している自分の優位感覚をコントロールすることです。
コドモはコントロールできませんし、コドモ自身も自分をちゃんとコントロールできない状態です。
そのため、理どんな時でもコドモの優位感覚を意識してコミュニケーションすることが理想だといえるでしょう。
これ、あくまでも理想であるので、出来る出来ないより日々意識して行動することが重要でしょう。
また思い出して下さい!
コドモは感情で会話してます。
そのためどんな優位感覚でも〝体感覚〟や〝感情〟を意識してコミュニケーションをすることがよく、これは大人でも同じです。
ヒトは情に流されやすいですからね。
■コドモのワガママ
また優位感覚でモノごとを伝えてもコドモが言うことを聞かずワガママをいうとき、これは優位感覚の違いではなく【ゴールの違い】ではないでしょうか?
【ゴールの違い】については、以前コミュニケーション理論の中で説明してますが、特に〝何のために?〟ということの意味(知識や価値観)が理解できてないと思います。
例えば、こないだ相談をいただいた例で紹介します。
■相談内容
「勉強をしてほしいのにやってくれない」
こちら詳しく内容を聞くとコドモへは「将来のために」と言う動機付けをしているが一向に理解をえられないそうです。
また色々なケースを聞くとママの優位感覚が〝聴覚〟でコドモは〝体感覚〟のようでした。
そのためママは社会基準や将来に対する推測と自己の経験や知見という〝合理的なメッセージ〟を中心にコドモへお願いごとをしていたようです。
また言い続けることに意味があると思っていたので、次第に感情的になったり多角的なアプローチが出来ていないことに気づきました。
合わせて、コドモは〝体感覚優位〟なのでママが思っている以上に感情へ敏感で、また色々なケースを聞く限りで他の感覚と比べてかなり体感覚の比率が高いようでした。
またママも聴覚優位の比率が高いと思われ、結論として優位感覚の違いとゴールの違いによって問題が発生していると考えられるという見解に落ち着きました。
そのため、今後以下5つのことを考慮して勉強について理解を得ることとしました。
1.コドモが望む将来を聞く。
それは夢だったり憧れの人だったりと、どんなに先でも非現実的でも良いので〝参照点〟を作る。
2.その将来を誉め、良いイメージを膨らませ〝疑似体験〟させる。
聞いた将来を肯定して、さらに色々なアイデアを付け加えながら以下のような情緒的メリットを伝える。
〝嬉しいことが増える〟
〝あなたも喜び、みんなも喜ぶ〟
〝世界の中から頼りにされる〟
〝ママもそうなったら嬉しい〟
このことにより、その将来に対する【欲求】が非常に高くなると思います。
3.その未来を実現するために勉強が必要だと伝え意見を聞く。
先ず「どうすればその未来を実現するか?」を本人に考えさせる。
その答えで〝勉強〟と出てくれば【動機付け】は成功。
しかし他のキーワードが出てきたら、その内容を情緒的に肯定しながら〝勉強〟につながるよううまく【誘導】する。
4.もし否定されたら、ちょっと不安にさせる。
夢が叶わなかった残念な未来や悲しい気持ちを意識させ、また【問題回避】として勉強の必要性を心に植え付ける。
5.勉強が出来ない理由を聞き出し、その障害を〝仮説的に〟取り除いて本心を聞く。
例えば勉強をしない理由が〝疲れる〟だった場合
「もし勉強をしても疲れなかったら楽しく勉強できる?」
というように〝もしもの質問〟を使って【コドモができる方法】を自分の口から言わせる
すいません。
VAKモデルのみではなく【承認誘導】の織り込んでおりますが、ゴールを明確にするには色々【誘導】してイメージさせたり【動機付け】をしたりすることは必要性です。
その基礎となるのがVAKモデルであり、このチューニングが合ってないと会話の継続すら難しくなるかも知れませんね。
■同じだから良いとは限らない
最後に、優位感覚が同じだから必ずコミュニケーションがうまくいくとは限りません。
理由として、優位感覚はあくまでも〝脳の使い方〟が似ているだけであって、脳が保持する知識量や処理スピード、また〝価値観〟もヒトそれぞれ違います。
価値観については、以前コミュニケーション理論でお伝えした内容を再掲します。
1.金銭感覚
2.対人関係(家族以外)
3.仕事のため
4.家族のため
5.自己満足のため
6.カラダ/健康のため
7.時間の使い方
8.感情の捉え方
9.環境(モノ/こと)の考えて方
10.労力の基準
こちら、大人とコドモではだいぶ違いますよね。
これは〝ゴールの違い〟と合わせて〝価値観の違い〟も頻繁に発生します。
コドモに伝えやすい言葉の形式としてVAKモデルを意識する、言葉の内容は〝目的〟と〝目標〟、そして相手の〝価値観〟を意識して組み立てるということが〝コドモの目線で考える〟という本質だと私は考えてます。
以上、今回の内容を念頭におき、子育てで悩んだ時や幼児教育の効果を高めたいときなど、自分と相手のVAKモデルを意識したコミュニケーションでより良い未来作りに役立てて下さい。