【VAKモデル補足シリーズ③】VAKモデルとゲシュタルト能力
VAKモデルをコミュニケーションの中で有効かつ効率的に活用をするためひ必要な補足情報をまとめたシリーズ第三弾。
今回は知っていそうで良くわからない「ゲシュタルト」について理解を持ち、その上でVAKモデルの活用に役立てて行ければと思います。
■ゲシュタルトとは?
先ずはゲシュタルトについてGoogleで調べました。
ゲシュタルト心理学の基本概念。全体を、部分の寄せ集めとしてでなく、ひとまとまりとしてとらえた、対象の姿。形態。
これ、非常に難しいモノゴトの捉え方なのですが、難しいことを私が一生懸命説明しても???になりそうなのと、言葉の意味を知らなくても効用(どういうことか)がわかれば良いのでちょっと例を使って説明してみます。
■どこで答えにたどり着くか?
みなさん『ルビンの壷』をご存知でしょうか?
A:画像の見方によって『壷』に見えたり『人の横顔』に見えたりする【トリックアート】です。
B:白と黒で描かれている絵です。
C:正方形の絵です。
D:人の横顔は2つあります。
E:壷は一つあります。
F:人の横顔は向き合っています。
H:人の横顔はシルエットで、目や鼻、口などはありません。
I:実際の絵は以下の画像です。
先ず、このルビンの壷を見たときに、人とみるか壷と見るかという二つの意味(ダブルミーニング)があり、人は見方によって様々な意味があるという教えがゲシュタルトを理解することのひとつです。
また、説明文章Iの画像はゲシュタルトの解説にある「全体を、部分の寄せ集めとしてでなく、ひとまとまりとしてとらえた、対象の姿。」であり、説明文章A~Hは「部分の寄せ集め」と認識できるでしょう。
しかし、「ルビンの壷」だと知らない人がこの絵を見たときにどういう反応をするでしょうか?
またすぐに二つの意味を見つけられるでしょうか?
次はもう少し踏み込んで理解を深めましょう。
■シルエットクイズ
先ずは想像してください。
あなたはこれからシルエットクイズ(影絵)をみて正解を当てるクイズに挑戦します。
これから、少しずつシルエットに関するヒントがま5つの出てきます。
あなたは何個目で答えにたどり着くでしょうか?
① ワンと鳴きました。
② 耳が付いてます。
③ ふさふさの毛が生えてます。
④ しっぽがあります。
⑤ 4つんばになってます。
さて、答えにたどり着いたでしょうか?
そして正解は変装した『人間』です。
これはシルエットクイズです。
ちょっと意地悪でしたかね。
それと、ここまで何回と犬の画像が出てきたので頭の中に犬のイメージが根付いていたからかも知れませんし、シルエットクイズだということを途中で忘れてしまったかも知れませんね。
このように、ヒトは一部の情報や何かの情報が欠落した情報のみで判断をしたり、また一部の情報だけで全てを理解するよう心が動くようなことをゲシュタルト能力のイメージです。
またゲシュタルト能力とは要するに『早合点』をして正解するかしないかみたいなもの。
またこの『早合点』をする能力=思考の近道をする能力があることにより、無駄な労力をかけずに(疲れずに)多くの情報を処理できたり、たくさんの知識や経験を駆使して頭の回転を早めることができるようになります。
■VAKモデルとゲシュタルト能力
ここまで説明してきた、人が持つゲシュタルト能力を踏まえたコミュニケーションを考慮した際、伝える情報の性質の良し悪し相手の情報処理能力へ影響することが理解できるでしょう。
また圧倒的に情報量が少ないコドモであるが故に『早合点』する可能性は高まりますし、それが故に感情の沸点が早い段階で来てしまいます。
このことについて、先ほどのシルエットクイズを使って説明すると、ヒントの① ワンと鳴きました。と聞いた瞬間、コドモは『犬!犬!絶対に犬!』と100%答えを決めつけるようなモノで、しかし大人の場合『ワンと泣いただけでは犬と判断できない』や『ワンという声の質を確認したい』というように真偽判断を入れで、10%ぐらいの正解確率で『犬』ということが頭の中に過ると思います。
このような、コドモと大人では【正誤真偽の判断】に差があること、さらにVAKを意識せずコミュニケーションを進めると、さらに【正誤真偽の判断】を起こしやすくなります。
さらにもっと深く考えると、例えばK優位のコドモにAの言葉で伝えたことで心に悪影響(ハレーション)が発生して【正誤真偽の判断】が変わったり、Aの情報が続くことでゲシュタルト能力が発揮できず、いつまでも答えにたどり着かない事象が起こるかもしれません。
■VAKは心の地図の道しるべ
ゲシュタルト能力はある意味、目的にそったゴールに近づく道しるべのようなもので、またそのゴールへたどり着く方法はいくつもあります。
それはコンパスを持ちながら目的地を目指し歩くようなもので、またその道中で空を見たり、標識を見たり、地形や過去の経験に頼ることで地図(ヒント)がなくてもゴールに近づける方法なのかも知れません。
またその道筋は歩き慣れた歩きやすい道を通った方がよく、そして相手をうまく誘導するのであればVAKの地図(ヒント)を渡してあげれば必ずゴールにたどり着けるでしょう。