知能はIQで見ない、MI理論だ!|知育に必要な5つの価値【子育て科学】
2016/07/26
今回より以前の記事でお伝えした〝知育に必要な5つの価値〟について個別にご紹介。
先ず一つ目となる知能とは何か?
また知能とは幼児教育や能力開発においてどうどのように考えるべきか?
そして知能を鍛えるかについてYa-Manなりの具体的な方法をお伝えします。
■知能は一つなの?
先ず知能を図る指標として、多くの人がIQ(知能指数)を思い浮かべると思います。
このIQについて一旦定義します。
※Wikipediaより※
IQとは、知能検査の結果を表す数値である。
では次に知能検査について確認します。
※Wikipediaより※
知能検査(ちのうけんさ)とは、知能を測定するための心理検査である。
ではでは、心理検査についてもこちら。
※Wikipediaより※
心理検査(しんりけんさ)とは、人間の心理の検査である。
すいません、深堀しても曖昧になるだけですね。
しかし私が伝えたかったのは、IQは心理を検査した結果であり、学習意欲(学びたいと思うチカラ)や社会を生き抜く力を直接測定するもののではないということ。
確かに、IQがよい子が頭がよいケースが多くあると思いますが、一時的な心理検査でしかないことと、検査方式(問題傾向)を事前に知ってしまえば対策が練れること、またその検査は複数の違った課題(国語とか数学)を偏差値化(異なった分野を同一の測定指標にすること)をして数値に表しているのでIQという単位指標を伸ばすことだけでは学力向上な知育・能力開発に活かしにくいという考えもできます。
■知能は複数ある=MI理論
知能について私なりに説明しましたが、私はその知能を図る指標IQより大切なものが有ることを知りました。
それが今回ご紹介するMI理論です。
先ずMI理論とは、1983年にハーバード大学の心理学者ハワード・ガードナーが提唱したもので、「知能は紙と鉛筆だけで測るテスト知能だけではなく、それ以外の知能にも目を向けるべきだ」と主張しています。
また「人は皆それぞれ一組のMultiple Intelligences(多重知能)を持っており、少なくとも8-9つの知的活動の特定の分野で、才能を大いに伸ばすことが出来る。」とも言っており、IQの考え方に頼らない知育手法について考えを述べてます。
この考え、IQが低い私にとってすんなり受け入れられるものであり、知能は複数の集合体だと考えると理解が深まる。
また複数の知能についても明確になっているので何をすれば良いかもわかってきます。
それとガードナーはこんなことも言ってます。
「インテリジェンス(知能)とはある文化的背景において活性化され、問題を解いたり、その文化において価値があるとされるプロダクトを作ることができる、ある種の方法で情報を処理する生物学的、心理学的潜在能力である。」
本能に近いもの、色々相関していそうですね。
MI理論による8つの知能
では、コアとなる8つの知能について確認してみましょう。
① 言語的知能
口頭または文字で効果的に言葉を使う能力。
② 論理-数学的知能
数を効果的に使い,論理的に考える能力。
③ 空間的知能
正確に視覚-空間的世界を認識し、それを知覚の変容できる能力。
④ 身体-運動感覚的知能
アイディアと感情を表現するため全身を使う能力。また、事物の生産性を高めるために使う腕前
⑤ 音楽的知能
音楽・音声を知覚し、識別・変容させ、表現する能力。
⑥ 人間関係的知能
コミュニケーション、他者への気遣いや意思、他者の刺激・感情を知覚し識別をする能力。
⑦ 自己内面的知能
自己の知識を意識することと、その知識を基礎として適応できるように活動する能力。
⑧ 博学的知能
自分の環境多数の種(分類方法)の認識と分類する能力
ちょっと難しいですかね。
しかし、人間の知能には8種類あること、その8種類は何かをやるときに同時利用されていることを考えると納得が行く。
■例えば風船遊び。
風船遊びとは、交互に風船をバレーボールのように打ち合って楽しむ遊びです。
この簡単な遊びをMI理論でいうどの知能を使っているかを分析すると以下2つです。
③ 空間的知能
風船の軌道を見て落下点もしくは手の届く場所に移動を把握する。
④ 身体-運動感覚的知能
落下点へ移動して風船を打つ。また相手に届くよう力加減を考えて打つ。
この2つの知能が相互に働いて遊びが成立していることがわかる。
そしてここに他の知能を付け加え遊びの幅を広げるようにするとこんなアイデアがあります
① 言語的知能
・しりとりをしながら遊ぶ。
・昨日あった思い出を聞き話しながら遊ぶ。
② 論理-数学的知能
・数を数えながら遊ぶ(カウントアップ/カウントダウン)
・右手→左手→右足→左足→頭→右手→・・・のようにルールを決め守りながら進める。
③ 空間的知能
・スピードを速めてみる。
・壁や床にバウンドさせてやり取りをする。
④ 身体-運動感覚的知能
・一本の指しか使わない
・一回転してから打つ
⑤ 音楽的知能
・歌いながら遊ぶ。
・一定のリズムで足踏みや拍手をしながら遊ぶ。
⑥ 人間関係的知能
・わざと届かない距離に移動してみる、またわざと転んだり間違ったりしたらどうなるだろう?
⑦ 自己内面的知能
・自分で目標を立てさせる。
・成功したとき〝なぜ〟だかを考えたり、失敗したときに〝自分に原因〟は無かったかなどを考えてもらう。
⑧ 博学的知能
風船の大きさやビーチボールとの違い、なぜ強く打っても割れないかなどについて考えてもらう。
如何でしょうか?
簡単な遊びでも意図的に知能を伸ばすことを考えれば〝知育〟効果も変わりますし、何より飽きずに知的好奇心をくすぐりながら楽しむことが出来るようになるでしょう。
■MI理論の学び方
MI理論は現代能力幼児教育や義務教育においても必要不可欠なものになりつつあります。
そのため少しでも興味を持ち具体的にMI理論を詳しく知り学びたいという方、以下の本を読むのがオススメします。
これはガッツリお勉強したい方オススメ。
ガードナー先生の思いがぎっしり詰まってます。
これは理論の説明より、なぜこの理論が有用なのかを教えてくれる本。
また事例を使った解説や反対的な意見への反論などもあり、私は面白かった。
これは日本の学校の先生向けにわかりやすく解説していて、尚且つどう授業(学習)に取り入れるかについて書かれているもの。
これが一番オススメかな、何より日本人がガードナーを解説してから頭に入りやすい。
■まとめ
今回の記事、いかがでしょうたか?
MI理論は子供だけに当てはまるものではなく、大人であっても保持している知能の差があるものです。
そのためご興味ある方はこのサイトで自分のMIを知ることができますので、先ずは自分を把握してから育児にいかしてみてはいかがでしょうか?
自分のMI理論バランスを知れば、今後の子育てやしつけ、コドモの能力開発に役立ちますよ。